Takの山行記録とバイオリンとかAIとか

山行記録に加えて必死に練習中のバイオリン、必死に勉強中のAIについて

フエゴ国立公園

2019-12-29 13:15:00 | Life in USA by Tak
12月27日、フエゴ国立公園散策。今日がパタゴニア最終日。

フエゴ島は、西がチリ領、東がアルゼンチン。この国境地帯が国立公園となっており、ぶなの天然林、ピートランドと呼ばれる泥炭地が、標高は低いが切り立った、夏でも雪をいただく山岳地帯と、ビーグル水道に流れ込む川、多くの湖と共に大切に保護されています。また、このフエゴ、と言う名前は、マゼランがこの島を発見した際、原住民(今となっては先住民となってしまいましたが)のたく篝火が数多く見られ、これにちなんで’火’を意味するスペイン語フエゴと名付けられたのですが、その先住民の歴史を伝える大切な使命もあるようです。



この一帯は、ブナの原生林。レンガという名のブナ。

こちらも、ニレというブナ。レンガもニレも、日本人にはわかりやすい。

これは写真ですが、秋にはこの一帯がこのように紅葉するそうです。こちらのブナは赤く紅葉するのかと驚いたところ、もみじのように赤く紅葉するものもあるのだそうです。ブナ、ブナと云っていますが、日本のブナとは科が違うようです。


葉の形が相当違いますね。


ラパタイア湾。ビーグル水道に繋がる入江。

この一帯にも、短い夏を謳歌するように可憐な花たちが咲き乱れています。

氷河公園から流れ出るラパタイア川。ラパタイア湾からビーグル水道へ。

ネグラ湖。氷河の水を集め、溢れた水はネグラ川(?)となって、やはりビーグル水道に流れ込む。


公園内をその名も’地の果て号(End of the World Train)’という汽車が7kmの区間走っている。その昔、ウシュアイアに監獄があった頃、建材、暖房用木材切り出しのため敷設されたもの。その頃伐採された後は、この通り、裸のまま、切り株を残して歴史を後世に残している。しかし、囚人が作業したとはいえ、鉄道まで引いてくれるなんて、立派です。


このような汽車が、今では観光客を運んでいます。


これでパタゴニアとはお別れです。最後のビューをどうぞ。ビーグル水道沿いのウシュアイア。

延々と続く、アンデスの山並みとパタゴニア。





ビーグル水道

2019-12-29 11:28:00 | Life in USA by Tak


ビーグル水道の東から西、つまり大西洋側より太平洋方面をのぞむ。東から入ってきた初めての航海者も、このような光景を目にして迫りくるアンデスの山並みに驚かされたに違いない。

ビーグル水道の北、ウシュアイアの街と背後のマルティアル山脈。

ビーグル水道の南、チリ側に広がるアンデスの山並み。


ビーグル水道とは、ダーウィンが1831年から5年かけ世界一周したビーグル号にちなんで名付けられた。ダーウィンもイギリス出港後、南アメリカ各地に寄港しながら南下、このビーグル水道を通過して太平洋に抜けたあと北上、ペルー沖のガラパゴス諸島であの進化論のアイデアを固めたと言われている。ちなみに、この時のビーグル号の船長が、パタゴニアの象徴、フィッロイ山の名前の由来、ロバートフィッロイ英国海軍提督だったとな。
さて、ここでクイズ。
太平洋と大西洋を繋ぐ水路はいくつあるでしょう?
答えは3つ。ビーグル水道、マゼラン海峡、パナマ運河。(誰か正解教えて!)


ビーグル水道へは、こんなボートで向かいます。



北のアルゼンチン側は、こんな山並みが続きます。



南のチリ側。東に向かうにつれ、山並みは穏やかに。







素晴らしい山並みが続きます。


ビーグル水道の動物たち。ウミウのコロニー。ウシュアイアのすぐ沖に。

アシカのコロニー。ゴマンといます。



南極ペンギンたち。船も人も、全く関心なし、と言った風情。










この素晴らしい光景を見に、毎年多くの観光客が訪れる。確かに、切り立つ山並み、氷河、透明感あふれるビーグル水道の水は、南緯55度とパタゴニアと言うイメージと相まって、地の果て感を激しく掻き立てる。しかし、この光景、どこかで見たような気が!根室半島の先から北方領土を見た時、知床半島クリーズ船から知床を見た時、想像したクリル諸島の光景が重なってきた。勿論、見たこともなく、いくつかの写真や地図の地形から連想させただけだが、もし、クリル諸島クルーズ、と言うものがあるならば、もっと凄い景色が見られるのではないか、と思ったものです。緯度的にも近いですしね。ペンギンは居なくとも、ヒグマ、北極グマはいそうです。コンドルではなく、オオワシが飛んでいるかも。火山帯だから、温泉だってあるでしょうし。
てな事を思わせてくれた、素晴らしいクルーズでした。




最果ての街、ウシュアイア

2019-12-29 10:13:00 | Life in USA by Tak


ウシュアイアは、アルゼンチン、というより、世界最南端にある都市。南緯55度、人工2万の大都市だ。実は、海を挟んだチリ側の対岸には、ポートウィリアムスという街があるのだが、軍事施設なので省く、という、アルゼンチン側の理屈。

ヨーロッパの山岳都市のようですが、立派な南アメリカ最南端、標高ほぼ0mです。

街の南は、ビーグル水道で対岸はチリ。ここはアンデス山脈の南の端で、標高も1,000m前後と高くはないが、山頂部には氷河をいただく山も多い。

アルゼンチン側のマルティアル山(1,450m)にも氷河がある。

この街から東京まで、17,806km。自称’世界の果て(End of the World)’。


果て、と言われる場所には、やはり、刑務所があります。1800年台後半から20世紀前半にかけての軍政時、反対勢力がここに流されていたとか。網走のような刑務所博物館がありました。

ウシュアイアは、ここ。上の黒線は、マゼラン海峡なので、それよりまだ南という事。


これは南極の地図(アルゼンチンの管轄)ですが、左端上の青点のウシュアイアとの距離感を見てください。1,000kmで南極。南極向け観測隊やクルーズのほとんどは、ウシュアイアに寄港して手続き後、南極大陸に向かうんだそうです。



ウシュアイア発、14日間の南極クルーズ、お一人様250-600万円也!



ウシュアイアはフエゴ島の南端に位置するのだが、地図の線、これ国境、を見てください。西とビーグル水道を挟んだ南はチリとなります。このややこしい地図を頭に入れて、ビーグル水道のクルーズに出かけましょう!



モレノ氷河

2019-12-29 08:44:00 | Life in USA by Tak
12月25日、氷河を見に行きます!

全体を見渡せる展望台より。見える一番奥は、14km先だそう。左の尖った、かっこいい山は、氷河と同じ名前のモレノ山(1,640m)。氷河の右に見える半島の先に行くと、目の前に現れます。

35kmの道のりを、長い年月かけて、ここで最期を迎えます。もとい、それから水に帰り、またアンデスの雪となって、氷河になるのかもしれませんね。

最大で1日2m動くと言われるこの氷河、この先端部で崩落を繰り返してアルゼンチン湖の水となります。元々太平洋からやって来たその水は、今度は東に向かい、大西洋へ流れ込むことになります。

この距離だと氷河先端部は全部見えません。

ちなみに、時間は日本時間。青く光る氷には、どれほどの歴史があるのだろうか?1日2m動くのならば、35kmの移動には50年もあればここまでたどり着くのだが、さて、事実は、、調べておきます。

写真黒円の右側から氷河を望む。半島の突端は、氷河の目と鼻の先、100m位の距離で見ることができる。地図の湖がアルゼンチン湖。
モレノ氷河は、エルカラファテから西に80km、チリ国境アンデス山脈のピエトロベッリ山(2,950m)に源を発する。全長35km、幅5km、高さ60m、パタゴニアでも有数の氷河だそうだ。パタゴニアのこの一帯は、ロスグラシアレス(氷河)国立公園で、ユネスコの世界自然遺産にも指定されている。冬、太平洋からの湿った風がアンデスに雪を降らし、アルゼンチン側に氷河となって流れ落ちてくる。ガイドブックによれば、この一帯の氷河は、南極、グリーンランドに次いで世界第3位の規模なのだそうだ。
氷河の目の前でビデオを回す事2時間、小さなものも含め、4回の崩落を見る事ができた。音も、ビジュアルも迫力満点!動画のアップをお待ち下さい。


真夏なので陽がさせば暖かいですが、ガスって雨など降ると、氷河から吹き下ろす風が冷たく、レインスーツと手袋は必携。写真の遊歩道を伝って、氷河の目の前まで行くことができます。
パタゴニアで思う事。それは、なんでもかんでも広く、大きいため、その素晴らしさや広大さをどうしたら伝えられるか、という事。写真や動画ではなかなか伝えきれませんので、これもまた、妄想と心の目でご覧いただけることをお願い申し上げます。


アルゼンチン湖の東より、西にモレノ山を望む。麓の右奥に氷河がある(はず)。


このような光景が延々と続く。向こうの山は、氷河で削り取られたあと。

パタゴニアは風が強い。いつでも、何処でも旗がちぎれんばかりにはためく。冬は、一体、どうなる?
これから、さらに800km南下、地の果てのまち、ウシュアイアに向かいます。