自己と他者 

自己理解、そして他者理解のために
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伊坂幸太郎『』ラッシュ・ライフ』

2006-12-06 11:05:56 | 小説

伊坂幸太郎『ラッシュ・ライフ』(新潮文庫)

以下、こういう考え方もあるね。

p217~221

「世の中には、ルートばかりが溢れている、とね。そういったよ。人生という道には、標識と地図ばかりがあるのだ、と。道をはずれるための道まである。森に入っても標識は立っている。自分を見つめ直すために旅に出るのであれば、そのための本だってある。浮浪者になるためのルートだって用意されている」

「人生に抵抗するのはやめた。世の中には大きな流れがあって、それに逆らっても結局のところ押し流されてしまうものなんだ。巨大な力で生かされていることを理解すれば怖いものなどない。逃げる必要もない。俺たちは自分の意志と選択で生きていると思っていても、実際は『生かされている』んだ。そうだろう?」

「それは君が学生時代に、嫌っていた、『宗教』じゃないのかい?」

「違うよ、人生は道じゃないと、そう思うことにしただけだ」

「道じゃない?」

『人生は、道ではなく海だよ』