高井良ゼミナール

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脱帽!

2016-06-16 21:50:00 | ゼミ日記
こんばんは!高井良です。par

6月と言えば、紫陽花ですね。傘を差して歩く道々でrain、美しい紫陽花が目に入ると、心が癒されます。そして、6月と言えば、もう一つ、教育実習ですね。beauty この時期、4年生は、それぞれの実習校で、子どもたちや先生がたに励まされ、鍛えられながら、人生の貴重な時間を過ごしています。horori

教育実習では、毎年、3週間ずっと3時間睡眠だったりnose4、大変な思いをしながら感動的なフィナーレを迎えたというエピソードが語られ、学生たちのがんばりに感銘を受けてきたわけですが、今年は、全く違うスタイルの感銘を受ける話が聴けました。ok

その主人公は、我らが高井良ゼミのエースである佐野永知さんです。boy佐野さんは、中学校で3週間の教育実習を行ってきて、今週からゼミに復帰しました。今日のゼミは、佐野さんの教育実習報告から始まりましたが、その語りの内容に、私たちは圧倒されました。詳細なノートを作って、見やすい板書計画も準備した地理の授業はきめ細やかでわかりやすく、一人ひとりの子どもの性格まで掴みながら、指名の工夫を行い、授業規律の浸透を図っていました。symbol5

教育実習生離れした落ち着きと語りは、実に頼もしかったです。その一方で、佐野さんと同じ学校で実習を行った学生さんはお気の毒だったかもzzz、と思いました。規格外の教育実習生を送り込んでしまい、申し訳ございません。

佐野さんの語りのあと、3人もトイレ休憩toiletに出かけました。あまりの水準に圧倒されて生理現象が促されるほどだったのでしょう。kirakira佐野さん、どうぞほどほどに、がんばって下さい。いえいえ、遠慮はいらないので、高井良ゼミのイチローとして、これからも規格外の活躍を期待しております。baseball

さて、佐野さんの教育実習報告に続いて、Show & Tell2周目です。今回から新聞記事の紹介です。担当は私ということで、「18歳選挙権」と「政治的中立性」についての記事を紹介しました。「18歳選挙権」については、賛否両論がちょうどバランスよく出ました。今の日本社会のことを考えると、18歳はまだ政治のことを考える準備ができていないという意見と、政治にはこれからの人生が長い若者の意見が反映されるべきであるという意見がありました。どちらも、若者が政治についてきちんと学ぶ機会が保障されることが大事という意見が出されて、日本の場合は、そこが不十分なのではないかという意見が大勢を占めました。つまり、教育が準備されて、18歳選挙権が始まるべきであり、今回の改正は順序が逆ではないかということです。pencilset

これと絡めて、「政治的中立性」についても議論をしました。昨年度、NHKが取材に来て、ゼミの学生が教育における「政治的中立性」についてのインタビューを受けたそうです。この経験からこの問題については応答するのがとても難しいことを知ったということでした。私も「政治的中立性」について話をしましたが、「政治的中立性」とは何かという問題は、とても難しいもので、みんなに納得してもらうように話すことはできませんでした。これは「政治的中立性」という概念自体が、非常に曖昧なものであることに由来しているように思えます。ある意味で、すべての言説は政治的なものであり、あるいは沈黙ですら政治的であります。ある人がいじめられているときに、黙って傍観者であることは、いじめを許容するという政治に荷担することになります。これと同じように、「政治的中立性」に引っかかるのが怖いので、政治について教えないというのも政治を語らないという政治への荷担になります。十分に説得的に論じることは難しいのですが、このように考えると、「政治的中立性」とは実現不可能なものであり、この概念を教育現場に持ち込むこと自体が一つの政治であるということができます。note

ここまで書いてハタと気づきました。「政治」とは何かの概念の定義をしていなかったから、議論がきちんと噛み合わなかったということです。私は、「政治」という概念をさまざまに対立する利害の調整という意味で使っています。広辞苑では「政治」は次のように定義されています。「人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み」。しかしながら、一般的には「政治」とは、特定の政治家、政党への支持、選挙、投票行為などに限定されて使用されているように思われます。「政治」という言葉の意味をより広げて、私たちにとってより身近なものにしていくことが、これからの主権者教育のなかで、大切な課題になるような気がいたします。beginner

最後に、佐藤学先生の『学校を改革する』(岩波ブックレット)の第三章と第四章を読みました。第三章の「話し合い」は分裂を生み、失敗に終わるという内容が私は一番難しいと思っていたのですが、佐野さんが「そうですよね。たいていの場合、話し合いはお互いの対立を生んで終わりになりますね」と一言でまとめたことに感嘆しました。これは見事に実践者の感覚ですね。ヴィジョンが公共的であり、民主的であるのだから、まずはこのシステムでやってみようというところからはじめるのが大事なのでしょう。教師は実践で勝負ということで、実践してみて課題が見つかったら、そこで修正をしていけばいいということです。学生の意見からはいつも学ばされることが多いです。light

また、「応用から基本へ」というところでは、長谷川さんと小宮さんが「自分の経験からよくわかります」という意見を出してくれました。応用の課題に取り組んだことによって基本をわかり直したという経験があるというのです。理科教育の大家の左巻健男先生も同じことを言われていました。ゼミには学びのセンスにあふれた学生がいて、これからが楽しみだと思わされます。新しい時代の教育を彼・彼女らが担ってくれることでしょう。ただ、私もまだ用済みになるわけにはいきませんので、彼・彼女らに負けないように、しっかりと学んで、新しい時代の1ページにしみの一つぐらい残したいと思います。お互い、切磋琢磨してがんばってまいりましょう。katatsumuri

来週は佐野さんのShow & Tellのあと、佐野さんの授業のビデオを観て、佐藤先生のブックレットの第五章、第六章を読みます。ブログで実習報告もしてくれることと思います。楽しみにして下さい。それではまたお会いしましょう!car