温故知新~温新知故?

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NHKBS「えん罪弁護士」を見た。〜「有罪率99.9%」と言われる日本の刑事裁判。「無罪」判決は、千件に一件、あるかどうか。〜

2018-05-03 17:22:03 | 映画、TV、ミュージカル、エンタ
今日の朝、再放送なのかな。NHKBSで「えん罪弁護士」を見た。
えん罪弁護士 ブレイブ 勇敢なる者 BS1スペシャル 完全版 (前編)720p

えん罪弁護士 ブレイブ 勇敢なる者 BS1スペシャル 完全版 (後編)720p

まず驚くのは日本の裁判の「有罪率99.9%」という現実だ。この番組でも取り上げている痴漢冤罪などでは、訴訟になる前に罪を認めてしまう例が山ほどあり、これらはこのカウントには入っていないということだそうなので、現実には有罪率はもっともっと高いそうだ。だから、弁護士として無罪を体験するのは一生で1回くらいだそうだ。彼はそれを14回も勝ち取っている。しかし、そのようなえん罪刑事事件を担当するということは、報酬が少なく、現実には生活できないということだそうだ。だから普通の弁護士は家族を養うために彼のような行動は取れないというのが現実だそうだ。
NHKドキュメンタリー - ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」
「有罪率99.9%」と言われる日本の刑事裁判。「無罪」判決は、千件に一件、あるかどうか。その中で、「14件」もの無罪判決を勝ち取った異色の凄腕弁護士がいる――。

そのような方なのに、想像とは違った風貌。番組中で弁護士事務所の受付の女性が、取っ付きにくい人と思われるかもしれないですけど、可愛いところもあるんですよと発言し、番組では雨の日に彼が事務所のビルに入る際に床で滑る姿を紹介している。微笑ましい。
しかし、実際にお会いした今村先生は、そうした弁護士像とはかけ離れた人でした。まず、初対面の私に対し、あまり目を合わせてくれない……。ボソボソと小さな声で訥々と語る。口数は少なく、性格はとってもシャイ。「無罪14件」という驚異的な実績とギャップのある今村先生の人柄に、しばし戸惑いました。しかし、程なくして私は強い興味を抱いていました。

日本の裁判は有罪無罪を判断しているのではなく、有罪率99.9%という結果からみると有罪を立証するために行っているとのこと。これでは、本当に東京で通勤しているときにいつ痴漢冤罪に自分が問われるかわからない。その際、実際無罪でも認めないと何日も勾留され、仕事を失ってしまうという現実を避けるために「やりました」と嘘をつき、罰金を払って済ませるリスクが有ることを認識させられる。本当に満員電車では、腕を両手とも上に上げていることは必須だなと痛感した。衝撃的な番組だった。
刑事裁判の原則は、「疑わしきは罰せず」です。しかし、現実は甘くないと今村先生は言います。
「本来、被告人に立証責任は無い。でも、弁護側が“無実の立証”までしないと日本の刑事裁判では、まず勝てない。客観的、且つ科学的な視点で『これでもか、これでもか』と最大限立証して、『これなら文句は言えないだろう』というところまで持って行くのが私の理想です」
そう語った後、溜め息をつきながら、本音も…。
「でも、本当は被告人や弁護人にそこまでやる義務なんて無いんですよ。それは、過重な負担なんです。でも、それが(日本の刑事裁判の)現実ですから。仕方なくやっているんです」