ケンのブログ

日々の雑感や日記

甲子園

2022年04月05日 | 日記歌入り
■甲子園
さだまさしさんの「甲子園」をカラオケDAMの音源で歌い、ICレコーダーで簡易に録音したものをアップします。

聴いていただければうれしいです。

ふるさとに入りて先ず心傷むかな 道広くなり 橋もあたらし 石川啄木

一般的な人は、ふるさとの道が広くなり 橋も新しくなれば、「そうか、新しくなったか?ほんなら、見に行こか」と言って道や橋を見に行って、「ほんまや 新しくなっとたなあ これで、故郷もますます発展するわ」というところだと思います。

そして、友達にも「おい 橋 新しくなっとったで お前も見に行かな」と勧めて、それで話が盛り上がって、とそんなところではないかと思います。

石川啄木は 故郷に入って、 道が広くなり 橋もあたらしくなると それで、心が傷んでしまう。天才とはそういうものかな と思います。

しかし、この歌が、ずっと残っているのは 啄木だけでなく だれしも 普段は気づかないだけで、道が広くなり 橋が新しくなったことをいたむ気持ちがあるからだと思います。

というか あります。

だから、多くの人が啄木の歌に共感するわけですから。

そう考えると 天才というのは だれしも 無意識のうちに気づいていても 意識しないことを しっかり意識して 作品に出来る人 ということになるかもしれません。

学生の頃、LPの売り場が次第に狭くなり CDの売り場がだんだん広くなっていた時代、つまりアナログからデジタルへ変わりつつある時代に、レコード店の店頭のデモンストレーションで さだまさしさんの 「甲子園」が流れていました。

“”ホームラン と突然テレビが叫ぶ また誰かの夢が 壊れる音がする“”

とさだまさしさんが歌っている声が耳に飛び込んできました。

そうか、一般に人は「ホームラン」とテレビが叫ぶと ヤッター と言ったり、ヤラレタ と思ったりします。

さだまさしさんは ホームラン と聞くと 誰かの夢が破れる音が聞こえるのかとそのとき思いました。

ある意味 新しい橋を見ると心が傷むと詠んだ石川啄木と同じパターンだなと思いました。

“”4000幾つの参加チームの中で たったの一度も負けないチームは一つだけ
でも たぶん 君は知っている 敗れて消えたチームも 負けた回数は 
たったの一度だけって ことをね“” と歌詞にあります。

優勝したチームも一度も負けないなんてすごい 
でも敗れて消えたチームも負けた回数はたった一度だけなんだよ
とさだまさしさんはエールを送っていると思います。

さて、ここで問題です。

今年のセンバツ高校野球は32チームが出場しました。

優勝が決まるまでに何試合 行われたでしょうか?

答えは31試合です。

これは、簡単に答えが出ます。

さだまさしさんの歌詞にあるように

一試合するごとに 一つチームが敗れて消えていきます。

そして31チームが消えたときに 32-31=1 で一度も敗れていない たった一つの高校が残ります。

なので、答えは31試合になるのです。

解き方を知らないと とても難しい問題だけれど 解き方を知っていればすぐに答えが出る という算数の問題の代表選手です。

今年の春の選抜高校野球で大阪桐蔭高校がベストエイトから決勝まで大差の勝利をする一方で、敗者をたたえるコメントもいっぱい出ているのを見て、さだまさしさんの「甲子園」という歌が心に浮かびました。

歌詞の最後はこうです。

“”「あと一人」 とテレビが叫ぶ 君は僕を見つめ 涙をこぼしてる

背番号14の白いユニフォームが 彼の青春の最初で最後の打席に 入ったところ“”

リードを許したチームは 最終回ツーアウトになると 補欠の選手を打席に送る慣例がありますね。

その慣例をしみじみと 詩の形にさだまさしさんはされていると思います。

ほのぼのとした思いが伝わってきて 僕のとても好きな歌です。

甲子園の様子と 喫茶店のママと話をする主人公 が並行して描かれている歌詞の作りも見事だと思います。

あまり例のない 歌詞の作りだと僕は思っています。

↓さだまさしさんの「甲子園」をカラオケDAMの音源で歌いました。