小さな幸せ

小さな幸せの見つけ方感じ方の達人をめざして!

散り椿

2013-02-22 22:28:19 | 読書

 

葉室 麟さんの

「散り椿」

少し前に読み終わりました

でも、いまだに余韻が残っています

 

直木賞受賞作品「蜩の記」も好きでしたけど、

この「散り椿」の方がもっと好きでした

そして、蜩の記以上に泣けました

 

葉室さんという作家は本当に泣かせ上手です

 

人の心の優しさを描くのがうまいから、最後まで安心して読めます

悪人も出てくるのですが、その悪人にもちゃんと優しさがあったり悲しさがあったりするんですね

極悪人がでてこないところが好き

 

少しだけあらすじ

 

上司の不正を訴えたけれど認められずに藩を追われた瓜生新兵衛

苦労をかけ過ぎたため愛する奥さんは彼に抱かれて命の灯を消してしまいます

その奥さんの名前は「篠」

その篠は彼に

「なんだそりゃ」というようなことを頼んで死んでいきます

小説はこの場面から始まります

 

つかみはOKです

 

「その頼みを果たしたら褒めてくれるか?」

「お褒めしますとも」

 

亡くなった妻に褒めてもらいたい

その一心で彼女の願いを叶えるために故郷に帰ります

 

彼の故郷は複雑な政権争いの真っ最中

 

彼は、その争いの渦に巻き込まれていきます

 

友情あり、恋ばなあり、チャンチャンバラあり

もう最高です

残り3分の1位からとまらなくなります

 

あ、篠さんが頼んだことって気になるでしょ?

そうなのよね、最初、そんなこといくら優しいタンナで自分にべたぼれしてるからって頼むか!!

って思ったんですけどね

これが葉室マジックよ

 

ぜひ読んでマジックの種明かしを楽しんでみてください

時代小説ですけれど、女性でも十分に楽しめますよ!

コメント (10)
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