朝井まかて著
眩(くらら)
読み終わりました
葛飾北斎と娘お栄の話
この本
週間朝日2016年時代小説ベスト10で
3位に選ばれた作品です
宇江佐真理さんの
髪結い伊三次捕物余話
にもこの親子がでてきました
だからお栄が北斎の絵を手伝っていたことや
大福饅頭を北斎が好物だったこと位は知っていました
この題「眩」は
文中に二度出てきます
まだ幼いお栄は父親の胡坐に座り
父親の画法を聞いていた
懸命に手を伸ばす
「お前え、まさか・・・・筆がにぎりてえのか」
父親はただでさえ大きな目を瞠って、娘を見下ろした。
娘はこくりとうなずく。
娘はただ、己の掌の中に初めて置かれた筆が嬉しかった。
眩々した。
もう一箇所は
この本の表紙の絵
「吉原格子先之図」
を書上げたとき
命が見せるつかの間の賑わいをこそ、光と影に託すのだ。
そう、眩々するほどの息吹を描く。
昨年の暮れ東京に行ったとき
すみだ北斎美術館
に立ち寄ったのだけど
この本を読んでおけばよかったと思いました
まかてさん
どれだけの資料を勉強してから
この本をかかれたのだろうと
作家さんって凄いなと改めて思います
色んなことを勉強したうえで
登場人物に息を吹き込む
その場にいて
北斎親子の姿を見ながら書いているような気さえします
生き生きとしているんです
登場人物全員が
素晴らしい小説です
出てくる絵をスマホで検索しながら
読み進めていくと何倍も楽しめます
お勧めです
最後にこんなことをお栄に語らせます
もう60かもしれないが、先々のあたしから見たら
今日のあたしがいっち若いじゃないか。