諸田 玲子著
相も変わらず「きりきり舞い」
読み終わりました
きりきり舞いさせられているのは
東海道中膝栗毛の作者、十返舎一九の娘「舞」
その舞をきりきり舞いさせるのは
父親の十返舎一九
その父の押しかけ弟子今井尚武
舞の家の居候、葛飾北斎の娘「お栄」
まあ、天才奇人変人が集まる集まる
そういう人たちは他人にはまったく興味がない
自分ファースト
その尻拭いをさせられるのがいたって常識人の「舞」
「奇人気まぐれ、きりきり舞い」
と呪文を唱え、その難からのがれ
ひたすら玉の輿を願う「舞」なのですが・・・・
最後の最後にその玉の輿にのれることになるのだけれど
自分の一番気持ちのいい居場所はここと悟り
縁談も断り
みんなにきりきり舞いさせられることを引き受けてしまうのです
葛飾北斎の娘お栄のことを書いた小説を読んだばかりだったので
特にお栄さんが出てくる場面はわくわくしながら読みました
奇人変人たちが時折みせる優しさや気遣いがなんともいい!!
笑えて、泣けて、優しくなれる本です