掲示の順番間違えてしまいました。ごめんなさい。お手数ですが昨日までずっと読み続けてくれていた方は、もう一度9話から読んでくださいませ。
人気のあったテレビドラマが終了してしまい、僕たちは犬の事をあまり話題にしなくなっていった。それにゲームアプリやカードゲームの話のほうが楽しくて、犬を飼う事に熱中していたのが不思議なくらいに思っていたら、隣の席の敬太君が不意に、
「そういえば、あの問題ってもう解けたの?」
と、たずねてきた。敬太くんは問題を忘れずにいてくれたみたいだったから少し驚いた。
「いやぁ。まだ解決してないんだ・・・。わかんないからさ、先生の答え待っているんだ。」
「ふ~ん」
「何で考えないのさ。」
凄く鋭い質問にあせった。
「えっ。」
「むつきにはいつもお父さんがいて、話をしてくれるわけだろ。それならいっぱい話が出来るじゃないか。だったら、答えもその中から見つけられるんじゃないか?」
「そうかな。」
「そうさ。」
「そうかぁ。」
「そうだよ。それにむつきは、大事な事を忘れてる。」
「えっ。」
大切な事って、なんだろう。そう思っていると、
「えっ。じゃないだろう。両親がいるってことは、いいことなんだぜ。」
「・・・。」
「前にむつきの家に遊びに言った時、すごくお父さんとお母さんの仲がよくて、むつきはいいなと思ったよ。オレんちは、母さんが父さんの代わりもしてくれているけれど、忙しいからそんなに話は出来ないんだ。」
「だからさ、がんばって答えを出さないとさ、お父さん、がっかりするよ。」
僕は、敬太くんの言葉に納得した。
「そうだね。」
「そうさ。」
「うん。敬太君ありがとう。」
「おうっ。」
敬太くんは照れながらも、どこかうれしそうだった。それにひきかえ僕は、どこか恥ずかしいという気持ちが消えなかった。
「そういえば、あの問題ってもう解けたの?」
と、たずねてきた。敬太くんは問題を忘れずにいてくれたみたいだったから少し驚いた。
「いやぁ。まだ解決してないんだ・・・。わかんないからさ、先生の答え待っているんだ。」
「ふ~ん」
「何で考えないのさ。」
凄く鋭い質問にあせった。
「えっ。」
「むつきにはいつもお父さんがいて、話をしてくれるわけだろ。それならいっぱい話が出来るじゃないか。だったら、答えもその中から見つけられるんじゃないか?」
「そうかな。」
「そうさ。」
「そうかぁ。」
「そうだよ。それにむつきは、大事な事を忘れてる。」
「えっ。」
大切な事って、なんだろう。そう思っていると、
「えっ。じゃないだろう。両親がいるってことは、いいことなんだぜ。」
「・・・。」
「前にむつきの家に遊びに言った時、すごくお父さんとお母さんの仲がよくて、むつきはいいなと思ったよ。オレんちは、母さんが父さんの代わりもしてくれているけれど、忙しいからそんなに話は出来ないんだ。」
「だからさ、がんばって答えを出さないとさ、お父さん、がっかりするよ。」
僕は、敬太くんの言葉に納得した。
「そうだね。」
「そうさ。」
「うん。敬太君ありがとう。」
「おうっ。」
敬太くんは照れながらも、どこかうれしそうだった。それにひきかえ僕は、どこか恥ずかしいという気持ちが消えなかった。
家に帰ってからも、また考えていた。先生もわからないことが僕にわかるのかなと。
お母さんも、先生も「考えられるところこまで考えて。」と言うから、これは犬を飼わせない為の陰謀なのかと思えるけれど、お父さんがそんな意地悪をするとは思えないし、それより、先生がお父さんの事を知っている事もわからない。
「あ~っ。わからない!」
そう叫ぶと、キッチンにいたお母さんがくすくすと笑っている。僕は悔しくってソファーから起き上がりキッチンに行って、
「う~っ。お母さん笑い事じゃないよ。大変なんだよ。」
「ごめんごめん。笑い事じゃなかったね。まだ考え続けているんだね。えらいわよ。」
そう言ってお母さんは僕を励ましてくれた。少しうれしかったけれど、やっぱりすっきりしないから、今日の出来事をお母さんに話してみた。
「お母さん。あのね。今日ね。お父さんの質問を先生に聞いてみたんだ。そしたらね。少し待っててって、言われてね。それでね。お父さんらしいって言ってた。」
「へぇ。先生に聞いたんだぁ。」
「先生に聞いたんだぁって?それだけ?」
「なに?ほかになにかある?少し答えを待ってっていったんでしょ?」
「うん。そうなんだけれど・・・。」
僕は、それ以上お母さんに聞くことが出来なかった。
「先生も答えに困る質問だったって事かな。」
それもあったけれど、僕の心の中ではお父さんの問題と同じくらい先生がお父さんを知っている事が気になっていた。でも、なんだか怖くてそれは聞けない。だから僕はそのまま話を続けた。
「何でお父さんはそんなに難しい問題を出したのかなぁ?」
そうつぶやくと、お母さんはニコッと笑って、
「へへへっ。お父さんはねぇ。そういう人なのよ。」と、言った。
「それはわかるけれど、何で、お母さんはうれしそうなの?」
「それはそうよ。だってうれしいもん。」
「え~っ。うれしいもんって。どうゆうことさ。」
僕はますます混乱していった。その様子を見たお母さんは
「むつきがね、お父さんの気持ちを知ろうと一生懸命考えてくれている事がとてもうれしいのよ。」
凄くうれしそうだったから、僕はなんだか安心した。
「それにね。先生に聞いたこともえらいわ。」
「えっ。それは・・・。」
次郎君の意見だよ。そう言おうとしたけれど、その続きを言えず、少し胸が痛くなって下を向いていると、
「自分の問題の答えは、最後は自分の力で出さなければならないけれど、誰かの力を借りたりすれば、よりいい答えが見つけられると思うの。誰かの力を借りると、自分の考えを諦めなければならなくなる時もあるけどね、それでも自分自身が出した答えより、多くの人が「良いね」といってくれる答えだったら、そっちの方が沢山の人が幸せになれると思うの・・・。だからそれをお父さんはむつきに知ってほしかったんじゃないかな?」
なんだか難しい事だけど、それでも、なんとなくわかった。
「うん。わかったよ。でも、お父さんとお母さんが仲良しでよかった。」
「・・・? 何を突然言い出すの。照れるじゃない。」
「ほんとの事だもん。次郎君も唯ちゃんもお父さんとお母さんあまり仲がよくないって言ってた。」
お母さんは少し難しい顔をして
「・・・そういう家もあるわ。でもお父さんとお母さんは大丈夫だから。」
と、言って口をつぐんだ。それは吉行君の「大人の事情」ってやつだろうと思う。
お母さんは僕の頭をなでながら
「大好きよ。」そう言ってくれた。
お母さんも、先生も「考えられるところこまで考えて。」と言うから、これは犬を飼わせない為の陰謀なのかと思えるけれど、お父さんがそんな意地悪をするとは思えないし、それより、先生がお父さんの事を知っている事もわからない。
「あ~っ。わからない!」
そう叫ぶと、キッチンにいたお母さんがくすくすと笑っている。僕は悔しくってソファーから起き上がりキッチンに行って、
「う~っ。お母さん笑い事じゃないよ。大変なんだよ。」
「ごめんごめん。笑い事じゃなかったね。まだ考え続けているんだね。えらいわよ。」
そう言ってお母さんは僕を励ましてくれた。少しうれしかったけれど、やっぱりすっきりしないから、今日の出来事をお母さんに話してみた。
「お母さん。あのね。今日ね。お父さんの質問を先生に聞いてみたんだ。そしたらね。少し待っててって、言われてね。それでね。お父さんらしいって言ってた。」
「へぇ。先生に聞いたんだぁ。」
「先生に聞いたんだぁって?それだけ?」
「なに?ほかになにかある?少し答えを待ってっていったんでしょ?」
「うん。そうなんだけれど・・・。」
僕は、それ以上お母さんに聞くことが出来なかった。
「先生も答えに困る質問だったって事かな。」
それもあったけれど、僕の心の中ではお父さんの問題と同じくらい先生がお父さんを知っている事が気になっていた。でも、なんだか怖くてそれは聞けない。だから僕はそのまま話を続けた。
「何でお父さんはそんなに難しい問題を出したのかなぁ?」
そうつぶやくと、お母さんはニコッと笑って、
「へへへっ。お父さんはねぇ。そういう人なのよ。」と、言った。
「それはわかるけれど、何で、お母さんはうれしそうなの?」
「それはそうよ。だってうれしいもん。」
「え~っ。うれしいもんって。どうゆうことさ。」
僕はますます混乱していった。その様子を見たお母さんは
「むつきがね、お父さんの気持ちを知ろうと一生懸命考えてくれている事がとてもうれしいのよ。」
凄くうれしそうだったから、僕はなんだか安心した。
「それにね。先生に聞いたこともえらいわ。」
「えっ。それは・・・。」
次郎君の意見だよ。そう言おうとしたけれど、その続きを言えず、少し胸が痛くなって下を向いていると、
「自分の問題の答えは、最後は自分の力で出さなければならないけれど、誰かの力を借りたりすれば、よりいい答えが見つけられると思うの。誰かの力を借りると、自分の考えを諦めなければならなくなる時もあるけどね、それでも自分自身が出した答えより、多くの人が「良いね」といってくれる答えだったら、そっちの方が沢山の人が幸せになれると思うの・・・。だからそれをお父さんはむつきに知ってほしかったんじゃないかな?」
なんだか難しい事だけど、それでも、なんとなくわかった。
「うん。わかったよ。でも、お父さんとお母さんが仲良しでよかった。」
「・・・? 何を突然言い出すの。照れるじゃない。」
「ほんとの事だもん。次郎君も唯ちゃんもお父さんとお母さんあまり仲がよくないって言ってた。」
お母さんは少し難しい顔をして
「・・・そういう家もあるわ。でもお父さんとお母さんは大丈夫だから。」
と、言って口をつぐんだ。それは吉行君の「大人の事情」ってやつだろうと思う。
お母さんは僕の頭をなでながら
「大好きよ。」そう言ってくれた。