その日の放課後、家に帰ろうとしていると如月先生が僕のほうに走ってきた。
「田辺君! ちょっと待って!」
「なんですか。せんせい。」
「少し前にあなた達からもらった問題だけれど。すごく考えちゃったから時間がかかってしまいました。」
「待ってましたーっ! 」
「本当にゴメンね・・・。それで答えなんだけど、むつき君のお父さんは犬の気持ちを考えなさいといいたかったんじゃないかなと思う。」
「あ~っ。なるほど~。犬の気持ちかぁ~っ。そんなこと考えもしなかったよ。さすがだなぁ。」
そう言うと、先生は照れながら、
「間違っていたらゴメンね。でも間違っていたら先生もまだまだと言うことになるかなぁ。」
と、またも意外な答えが返ってきた。
「ふ~ん。先生でも間違えるの?」
「うん。先生もね、先生であっても知らない事が沢山あるのよ。だから、学ぶの。そして凄く考える。学校で教えてくれないこともあるから、自分で調べたり、先生の先生に教えてもらったりするの。だから間違える事だってあるのよ。」
「え~っ。そうなの。先生の先生がいるの?」
「もちろんよ。先生と言うより師匠かな。」
「師匠?先生よりえらいの?」
その言葉に先生は笑いながら
「えらいかぁ。そうだなぁ。師匠って言うのは、えらいとかって言うのではなくて、尊敬できる人かな。生涯かなわないと思う人。お金持ちになるとか、社長になると言うのではないのよ。損得なしにその人から学びたいのね。だから師匠から怒られても、怒られたことに怒らないで、真面目に学び続けたいと思うの。」
「えっ。先生も怒られる事があるの?大人なのに怒られるの?」
その事に僕はびっくりして変な事を聞いてしまった。でも先生は嫌な顔をせずに
「もちろん。今でも怒られてしまいます。むつき君たちを叱るように先生も間違った事をすると、その師匠から叱られます。そんな時、辛くなって止めてしまいたいと思う時もあるけれど、それでも、私は弟子だから師匠から学び続けたいと思うの。」
「弟子?」
「そう、弟子。」
「怒られても、その人から学び続けたいと思うから、弟子であるの。」
「ふ~ん。生徒じゃないの?」
「師匠と弟子は先生と生徒とは少しちがうのよね。」
僕はますます分からなくなった。
「どうちがうの?」
「う~ん。そうだなぁ。学ぶ姿勢かな。ちょっと難しいなぁ。上手く説明できないけれど、いつかきっとわかる時がくると思うわ。」
「どうしてそう思うの?」
「お父さんかなぁ」
「お父さん?なんで?」
「犬を飼う事で問題を出すお父さんなんてなかなかいないもの。きっとお父さんがいつか教えてくれると思うのよ。」
「ふ~ん。そうなの。」
「うん。とてもいいお父さんだもの。」
僕は先生がお父さんの事をほめてくれて、とてもうれしくなった。
「先生ありがとうございました。お父さんに言ってみるね。」
「もし間違っていたら、お父さんの答えを教えてくださいね。」
「うん。」
僕は、今度こそ間違いないと思った。そして、犬も飼えるんじゃないかとも思った。
「田辺君! ちょっと待って!」
「なんですか。せんせい。」
「少し前にあなた達からもらった問題だけれど。すごく考えちゃったから時間がかかってしまいました。」
「待ってましたーっ! 」
「本当にゴメンね・・・。それで答えなんだけど、むつき君のお父さんは犬の気持ちを考えなさいといいたかったんじゃないかなと思う。」
「あ~っ。なるほど~。犬の気持ちかぁ~っ。そんなこと考えもしなかったよ。さすがだなぁ。」
そう言うと、先生は照れながら、
「間違っていたらゴメンね。でも間違っていたら先生もまだまだと言うことになるかなぁ。」
と、またも意外な答えが返ってきた。
「ふ~ん。先生でも間違えるの?」
「うん。先生もね、先生であっても知らない事が沢山あるのよ。だから、学ぶの。そして凄く考える。学校で教えてくれないこともあるから、自分で調べたり、先生の先生に教えてもらったりするの。だから間違える事だってあるのよ。」
「え~っ。そうなの。先生の先生がいるの?」
「もちろんよ。先生と言うより師匠かな。」
「師匠?先生よりえらいの?」
その言葉に先生は笑いながら
「えらいかぁ。そうだなぁ。師匠って言うのは、えらいとかって言うのではなくて、尊敬できる人かな。生涯かなわないと思う人。お金持ちになるとか、社長になると言うのではないのよ。損得なしにその人から学びたいのね。だから師匠から怒られても、怒られたことに怒らないで、真面目に学び続けたいと思うの。」
「えっ。先生も怒られる事があるの?大人なのに怒られるの?」
その事に僕はびっくりして変な事を聞いてしまった。でも先生は嫌な顔をせずに
「もちろん。今でも怒られてしまいます。むつき君たちを叱るように先生も間違った事をすると、その師匠から叱られます。そんな時、辛くなって止めてしまいたいと思う時もあるけれど、それでも、私は弟子だから師匠から学び続けたいと思うの。」
「弟子?」
「そう、弟子。」
「怒られても、その人から学び続けたいと思うから、弟子であるの。」
「ふ~ん。生徒じゃないの?」
「師匠と弟子は先生と生徒とは少しちがうのよね。」
僕はますます分からなくなった。
「どうちがうの?」
「う~ん。そうだなぁ。学ぶ姿勢かな。ちょっと難しいなぁ。上手く説明できないけれど、いつかきっとわかる時がくると思うわ。」
「どうしてそう思うの?」
「お父さんかなぁ」
「お父さん?なんで?」
「犬を飼う事で問題を出すお父さんなんてなかなかいないもの。きっとお父さんがいつか教えてくれると思うのよ。」
「ふ~ん。そうなの。」
「うん。とてもいいお父さんだもの。」
僕は先生がお父さんの事をほめてくれて、とてもうれしくなった。
「先生ありがとうございました。お父さんに言ってみるね。」
「もし間違っていたら、お父さんの答えを教えてくださいね。」
「うん。」
僕は、今度こそ間違いないと思った。そして、犬も飼えるんじゃないかとも思った。