愛知県立美術館で開催されている「ロイヤル・アカデミー展」を観てきた。ロイヤル・アカデミーとはイギリスのロンドンに、1768年ジョージ国王3世の庇護の元、創設された芸術機関なのだそうです。
芸術に力を注ぎ多くの芸術家の才能を開花させ、後世の私達に感動を与えてくれる国王の働きは本当に素晴らしいと思う。が、です。
今の僕は素晴らしい絵画や彫刻を前に、素直に喜べないのでした。それは、書物を通してイギリスという国の背景を知ってしまったからです。
芸術を爆発的に開花させるには経済が豊かでなければなりません。これは、歴史的に振り返っても絶対条件なのです。
当時のイギリスはなぜ豊かになったのか。そこには様々な要因がありますが、その一つが「国家による貿易」によるものなのです。しかし、その「貿易」の中身は略奪と搾取によるものが大きいのです。
その手法とは、最初は、私的で行われていた海賊の海賊行為を国家が支援しました。それはハイリスクであるけれど利潤がハイリターンであったからです。そして、結果が伴うと次第にその腕を買われ組織として海軍として認められるようになり、新大陸やアジア圏からあらゆるものを搾取してゆき、スペイン艦隊までも撃破し制海権を確立させました。しかし、そうなると海賊が邪魔に感じた国家は海賊を正規の海軍から追放し、正規軍が主力となった国家は航海法を制定して他の貿易会社を貿易航路の独占を守る立場に回ったのです。そのことで大英帝国は資本主義国家として戦勝国となり、その資本が十八世紀の「産業革命」につながってゆきます。
話を戻しまして。
つまり、ロイヤル・アカデミーが創設された時期のイギリスというのは、多くの血と汗と涙と憎しみと命の犠牲の上に成り立っているのです。
芸術は芸術として割り切って鑑賞するべきとは思うのですが、困ったことにどうしてもそこに引っかかってしまうのです。
様々な事を知ることは良いことだと思うのですが、多くの事は知れば知るほど矛盾に苛まれてしまい、時として芸術を前にも心を曇らせてしまうのです。
芸術に力を注ぎ多くの芸術家の才能を開花させ、後世の私達に感動を与えてくれる国王の働きは本当に素晴らしいと思う。が、です。
今の僕は素晴らしい絵画や彫刻を前に、素直に喜べないのでした。それは、書物を通してイギリスという国の背景を知ってしまったからです。
芸術を爆発的に開花させるには経済が豊かでなければなりません。これは、歴史的に振り返っても絶対条件なのです。
当時のイギリスはなぜ豊かになったのか。そこには様々な要因がありますが、その一つが「国家による貿易」によるものなのです。しかし、その「貿易」の中身は略奪と搾取によるものが大きいのです。
その手法とは、最初は、私的で行われていた海賊の海賊行為を国家が支援しました。それはハイリスクであるけれど利潤がハイリターンであったからです。そして、結果が伴うと次第にその腕を買われ組織として海軍として認められるようになり、新大陸やアジア圏からあらゆるものを搾取してゆき、スペイン艦隊までも撃破し制海権を確立させました。しかし、そうなると海賊が邪魔に感じた国家は海賊を正規の海軍から追放し、正規軍が主力となった国家は航海法を制定して他の貿易会社を貿易航路の独占を守る立場に回ったのです。そのことで大英帝国は資本主義国家として戦勝国となり、その資本が十八世紀の「産業革命」につながってゆきます。
話を戻しまして。
つまり、ロイヤル・アカデミーが創設された時期のイギリスというのは、多くの血と汗と涙と憎しみと命の犠牲の上に成り立っているのです。
芸術は芸術として割り切って鑑賞するべきとは思うのですが、困ったことにどうしてもそこに引っかかってしまうのです。
様々な事を知ることは良いことだと思うのですが、多くの事は知れば知るほど矛盾に苛まれてしまい、時として芸術を前にも心を曇らせてしまうのです。