澪は、息を吐きながら、ゆっくりと中段に構えなおし、相手の隙を探ったが、その者には全くもって隙が無かった。
「小賢しい真似をするより、全力で行くしかない・・・か。」
しかし、これは、ルールのない真剣による勝負である。斬られれば自身が死してしまうかもしれないのだ。戸惑いと恐怖が頭をよぎる。剣を交える前から、相手に飲み込まれていては、勝てる勝負も落としてしまう。澪は自身を奮い立たせ「大丈夫、僕には怪物の前で圧倒的な強さを誇った矛と盾がある」と、自分に暗示をかけた。
「八尺瓊勾玉!」
勾玉が発光し、剣が蒼白い光を放つと、大太刀が普通の剣に変化した。
「応えてくれるのか草薙剣。」
澪は己の剣に感謝すると、柄を握りなおした。
「参る! 」
超高速でその者に切りかかると、ふらりと右に交わされた。それは澪も想定内であった。間髪入れず、振り下ろした剣を素早く右斜め上に振り上げると、その者は鞘から剣を抜き、難なく草薙剣を受け止めた。
「受け止めた・・・。」
「両断できると思っただろう。なぜ、切断できると思った? 」
その者は、女性のように、にこりと微笑むと、澪を軽々と押し返した。
「いいね。君。そのまま、全力で来ていいよ」
正攻法で攻めても勝ち目はないと悟った澪は、間合いを保ち、中断の構えで、その者をけん制しながら息を整えると、なりふり構わず攻めようと決めた。
「小賢しい真似をするより、全力で行くしかない・・・か。」
しかし、これは、ルールのない真剣による勝負である。斬られれば自身が死してしまうかもしれないのだ。戸惑いと恐怖が頭をよぎる。剣を交える前から、相手に飲み込まれていては、勝てる勝負も落としてしまう。澪は自身を奮い立たせ「大丈夫、僕には怪物の前で圧倒的な強さを誇った矛と盾がある」と、自分に暗示をかけた。
「八尺瓊勾玉!」
勾玉が発光し、剣が蒼白い光を放つと、大太刀が普通の剣に変化した。
「応えてくれるのか草薙剣。」
澪は己の剣に感謝すると、柄を握りなおした。
「参る! 」
超高速でその者に切りかかると、ふらりと右に交わされた。それは澪も想定内であった。間髪入れず、振り下ろした剣を素早く右斜め上に振り上げると、その者は鞘から剣を抜き、難なく草薙剣を受け止めた。
「受け止めた・・・。」
「両断できると思っただろう。なぜ、切断できると思った? 」
その者は、女性のように、にこりと微笑むと、澪を軽々と押し返した。
「いいね。君。そのまま、全力で来ていいよ」
正攻法で攻めても勝ち目はないと悟った澪は、間合いを保ち、中断の構えで、その者をけん制しながら息を整えると、なりふり構わず攻めようと決めた。