「う~ん。大変残念だ。」
「なぁ、前々から聞きたかったんだけど、なぜ、そこまでこだわってるの? 」
「おっ、良い質問だ。いいか。このボタンを押して合図が鳴れば、一瞬でもこの空間を支配できたことになるんだぞ。この背徳感を朝から味わえるなんて愉快だとは思わないか。」
思わず吹き出す。
「わからないなぁ~。その感覚。」
「まぁ、川島はまだ子供だから無理もないか。」
「子供って、同じ歳だろ。」
「いや、歳は同じでもドウテイではないのだよ・・・・・・。川島。やはり視線を感じるぞ。こっそりと周りを見渡してみろ。」
「・・・・・またかよぉ。」
少し動揺したけれど、何事もなかったかのように、さりげなく後ろを見ると、後部座席で静かに座っている真島きららと目が合った。
「ましまさん? 」
気が付いても、さり気なくを押し通す。不自然にならないよう首をかしげて視線を逸らすと、真島さんも慌てて目線を逸らしていた。
「気のせいだよ。」
「う~ん。ほんとにそうだろうかぁ。」
そう言って、疑い深い松嶋は腕を組んで首を傾げた。
真島さんとは確かに目が合ったけど、見つめられていたっていう訳じゃない。真島さんは目力があるから、もっと分かりやすいはずだ。
それに、真島さんから見つめられる理由なんてない。
「さぁ、着いたぞ。」
「おおっ、いざ行こう。」
バスが停車場に止まると、僕らは、はちみつが傾けた瓶からこぼれていくように連なって、ドロドロとバスから降りた。
「なぁ、前々から聞きたかったんだけど、なぜ、そこまでこだわってるの? 」
「おっ、良い質問だ。いいか。このボタンを押して合図が鳴れば、一瞬でもこの空間を支配できたことになるんだぞ。この背徳感を朝から味わえるなんて愉快だとは思わないか。」
思わず吹き出す。
「わからないなぁ~。その感覚。」
「まぁ、川島はまだ子供だから無理もないか。」
「子供って、同じ歳だろ。」
「いや、歳は同じでもドウテイではないのだよ・・・・・・。川島。やはり視線を感じるぞ。こっそりと周りを見渡してみろ。」
「・・・・・またかよぉ。」
少し動揺したけれど、何事もなかったかのように、さりげなく後ろを見ると、後部座席で静かに座っている真島きららと目が合った。
「ましまさん? 」
気が付いても、さり気なくを押し通す。不自然にならないよう首をかしげて視線を逸らすと、真島さんも慌てて目線を逸らしていた。
「気のせいだよ。」
「う~ん。ほんとにそうだろうかぁ。」
そう言って、疑い深い松嶋は腕を組んで首を傾げた。
真島さんとは確かに目が合ったけど、見つめられていたっていう訳じゃない。真島さんは目力があるから、もっと分かりやすいはずだ。
それに、真島さんから見つめられる理由なんてない。
「さぁ、着いたぞ。」
「おおっ、いざ行こう。」
バスが停車場に止まると、僕らは、はちみつが傾けた瓶からこぼれていくように連なって、ドロドロとバスから降りた。