書いたことが全部消えてしまった。
記憶も消せたら楽かな。
暖かくなってくると駄目だな。
R子さんが娘にと桃の花を贈ってくれたこと、桜並木を一緒に笑いながら歩いたこと、そういう記憶が、思い出になれないままだ。
そしてそれは美しすぎる映像になって、繰り返し繰り返し流れ続けて私の時間を止める。
夫のことも、まだ何も整理されていないんだな、と愕然として倒れそうになるよ。
自ら逝ってしまった人のことが胸にわき上がってきて押し潰されそうになる時、残された人はどうやってやり過ごすの。
どうして私は生きているの。
結局そこに戻ってきてしまう自分を、どうしたらいい。
見ないことと忘れることは違うの。
忘れることは多分、ない。
ずうっとずうっと、ないの。
記憶も消せたら楽かな。
暖かくなってくると駄目だな。
R子さんが娘にと桃の花を贈ってくれたこと、桜並木を一緒に笑いながら歩いたこと、そういう記憶が、思い出になれないままだ。
そしてそれは美しすぎる映像になって、繰り返し繰り返し流れ続けて私の時間を止める。
夫のことも、まだ何も整理されていないんだな、と愕然として倒れそうになるよ。
自ら逝ってしまった人のことが胸にわき上がってきて押し潰されそうになる時、残された人はどうやってやり過ごすの。
どうして私は生きているの。
結局そこに戻ってきてしまう自分を、どうしたらいい。
見ないことと忘れることは違うの。
忘れることは多分、ない。
ずうっとずうっと、ないの。