島田洋七 著 徳間文庫
広島で生まれた昭広は、父の記憶がほとんど無い。父は疎開先で家がある広島に原爆が落とされたと聞き、家の様子を見に行ったが故に放射能に汚染され、昭弘が生まれて間もなく原爆症で亡くなったのだ。その後は母が1人で働いて昭弘たち兄弟を育ててくれたが、幼かった昭弘は或る日佐賀の祖母の家へ預けられることとなる。
祖母は1人で7人もの子供を育てたツワモノ。
そこではその「がばい(佐渡の方言で「とても」「非情に」の意)凄いばぁちゃん」とのとんでもなく貧乏な生活が待っていた・・・
なごいくさんからお借りしました。
私たち年代ではB&Bの洋七さんと言った方が馴染みが深いかもしれない、島田洋七さんが幼い頃の自分と祖母との生活を綴った自叙伝
戦後の傷跡がまだ残る日本、みんな貧乏の生活なのでしょうが、ばぁちゃん「貧乏度」は更に凄い。「貧乏」というと「昭和枯れすすき」というような暗ーいイメージが付きまといますが、でもばぁちゃんの貧乏はメチャメチャ明るいのです
「お金がないと何にも出来ない」と思いがちな現代人の目のウロコを取ってくれるようなそんな本。
明るい貧乏もいいんですが、私が惹かれるのは、ばぁちゃんが昭弘(洋七さん)に言う数々の言葉。なごいくさんが金言、名言てんこ盛りとおっしゃってましたが、まさにその通りなのです
スポーツは万能だけど、勉強がイマイチな昭弘くんとの会話
以下転載
「1と2ばかりでごめんね」とばぁちゃんに言うと
「大丈夫、大丈夫。足したら5になる」と笑った。
「通知表って足していいの?」と聞くと、今度は真顔で
「人間は総合力」と言い切った
ね~なんか素敵でしょ?(笑)
またばぁちゃんと昭弘くんを見守る人達の優しさもいいのです
学校の先生、やって来るお豆腐屋さん、そしてクラスメート・・・
お金では買えない沢山の想いが詰め込まれています
例えば貧乏で祖母と2人きりの生活をしていた昭弘くんは、運動会の時、皆が家族とごちそうをついばむ中、1人で教室でお弁当を食べていたそうです。しかも勿論貧乏ですから弁当の中身は白いご飯と梅干と生姜のみ。
そんな時、ガラっと扉を開けた先生が
「いや~先生、お腹を壊してしまって。。。お前の弁当に梅干と生姜が入っているだろう?交換してくれないか?」というのです。交換した先生のお弁当には昭弘が滅多に食べることが出来ない卵焼きやエビフライ、ウィンナーと言ったご馳走がはいっていたそうな。
そんな事が次の年も次の年も続く・・・
毎年運動会時期にお腹を壊すなんて・・・と思った昭弘くんにばぁちゃんは言います。
「昭弘の為に弁当を持ってきたよと言えば、昭弘もばぁちゃんも気を使うだろう。それが本当の優しさだよ」と・・・
本当の優しさとは他人に気づかれずにすること
これがさりげなく出来る人ってどれくらい居るんでしょう
よく「○○してあげた」と他人に言う人が居ますが、その時点でその中には多少なり「人から優しい人だと思われたい」「人から感謝されたい」という意識があるのかもしれないよね・・・。
お金が無いという事は不幸な訳ではない事、人間は一人で生きているのではなく色んな人に守られている事・・・当たり前なのに現代人が忘れかけていた、そんな事を思い出せてくれる1冊です
広島で生まれた昭広は、父の記憶がほとんど無い。父は疎開先で家がある広島に原爆が落とされたと聞き、家の様子を見に行ったが故に放射能に汚染され、昭弘が生まれて間もなく原爆症で亡くなったのだ。その後は母が1人で働いて昭弘たち兄弟を育ててくれたが、幼かった昭弘は或る日佐賀の祖母の家へ預けられることとなる。
祖母は1人で7人もの子供を育てたツワモノ。
そこではその「がばい(佐渡の方言で「とても」「非情に」の意)凄いばぁちゃん」とのとんでもなく貧乏な生活が待っていた・・・
なごいくさんからお借りしました。
私たち年代ではB&Bの洋七さんと言った方が馴染みが深いかもしれない、島田洋七さんが幼い頃の自分と祖母との生活を綴った自叙伝
戦後の傷跡がまだ残る日本、みんな貧乏の生活なのでしょうが、ばぁちゃん「貧乏度」は更に凄い。「貧乏」というと「昭和枯れすすき」というような暗ーいイメージが付きまといますが、でもばぁちゃんの貧乏はメチャメチャ明るいのです
「お金がないと何にも出来ない」と思いがちな現代人の目のウロコを取ってくれるようなそんな本。
明るい貧乏もいいんですが、私が惹かれるのは、ばぁちゃんが昭弘(洋七さん)に言う数々の言葉。なごいくさんが金言、名言てんこ盛りとおっしゃってましたが、まさにその通りなのです
スポーツは万能だけど、勉強がイマイチな昭弘くんとの会話
以下転載
「1と2ばかりでごめんね」とばぁちゃんに言うと
「大丈夫、大丈夫。足したら5になる」と笑った。
「通知表って足していいの?」と聞くと、今度は真顔で
「人間は総合力」と言い切った
ね~なんか素敵でしょ?(笑)
またばぁちゃんと昭弘くんを見守る人達の優しさもいいのです
学校の先生、やって来るお豆腐屋さん、そしてクラスメート・・・
お金では買えない沢山の想いが詰め込まれています
例えば貧乏で祖母と2人きりの生活をしていた昭弘くんは、運動会の時、皆が家族とごちそうをついばむ中、1人で教室でお弁当を食べていたそうです。しかも勿論貧乏ですから弁当の中身は白いご飯と梅干と生姜のみ。
そんな時、ガラっと扉を開けた先生が
「いや~先生、お腹を壊してしまって。。。お前の弁当に梅干と生姜が入っているだろう?交換してくれないか?」というのです。交換した先生のお弁当には昭弘が滅多に食べることが出来ない卵焼きやエビフライ、ウィンナーと言ったご馳走がはいっていたそうな。
そんな事が次の年も次の年も続く・・・
毎年運動会時期にお腹を壊すなんて・・・と思った昭弘くんにばぁちゃんは言います。
「昭弘の為に弁当を持ってきたよと言えば、昭弘もばぁちゃんも気を使うだろう。それが本当の優しさだよ」と・・・
本当の優しさとは他人に気づかれずにすること
これがさりげなく出来る人ってどれくらい居るんでしょう
よく「○○してあげた」と他人に言う人が居ますが、その時点でその中には多少なり「人から優しい人だと思われたい」「人から感謝されたい」という意識があるのかもしれないよね・・・。
お金が無いという事は不幸な訳ではない事、人間は一人で生きているのではなく色んな人に守られている事・・・当たり前なのに現代人が忘れかけていた、そんな事を思い出せてくれる1冊です