今日は金剛輪寺を報告します。訪ねた日は11月5日、午前11時ごろからの散策でした。私の写真はフォトチャンネルでご覧頂くとして、ここでは写真集『湖東三山 天台宗 金剛輪寺』からスキャンしたものを掲載して、金剛輪寺の歴史を見ておきます。
寺伝によると、本山は聖武天皇ご勅願により天平13年(741)に行基菩薩が創建されたとのことです。ご本尊は聖観世音菩薩で、行基菩薩が彫り進んでいるとき木肌から一筋の生血が流れ出たという伝説から「生身の観音様」と呼ばれています。嘉祥年間(848~851)には比叡山延暦寺から慈覚大師円仁が登山して道場を開き、天台密教の浄刹となりました。本堂は元寇の役の必勝祈念堂として弘安11年(1288)に再興されていて、鎌倉時代の代表的な和様建築として国宝に指定されています。
この美しい三重の塔は昭和53年に復元されたもので重要文化財に指定されています。最初は「阿弥陀如来坐像」(重要文化財)次が「十一面観音立像」(重要文化財)です。人々を救おうとするお心の現れた慈悲に満ちた柔和なお顔に惹かれます。
次が「不動明王二童子像」(重要文化財)です。天台密教の道場でもありましたから悪を懲らしめる仏も祀られています。「悪」は、衆生の心の中にも、外界のも存在し、不動明王はこの悪と対峙しています。最後の写真は不動明王の左下に控えている「制吨迦童子坐像」です。
平安・鎌倉・室町と日本仏教の流れが凝縮した仏たちだと思われます。「生身の観音様」は秘仏となっているそうです。
湖東三山の金剛輪寺を訪ねました。