宇奈月温泉を出たバスは「YKKセンターパーク」(展示館)、「尾崎かまぼこ館」(かまぼこ店)、「池田屋安兵衛商店」(富山の漢方薬店)、「新港キットキト市場」(新鮮魚介類と食堂)などに立ち寄りました。バス旅行の定番で殆どが“お買いもの目当て”で、事実、奥様方の「買い物意欲」には圧倒されます。異色はYKKで、創業者が富山市出身だそうで、工場もこの地に多く、今では“ファスナー”から“アルミサッシ&アルミ建材”と世界企業に発展、それを記念してオープンしたのが「展示館」でした。
バスの中でガイドさんが88歳のお婆ちゃん聞きました。
Q YKKはどうでしたか?
A 「なんでチャック屋さんへ連れてくんだろう。買い物好きの私もチャックは欲しないわ」と思っとた
が、大きな工場でびっくりしたわ。ここでは何も買わなかったので、帰ったらYKKの株でも買おう
かなと思って。
これが、ガイドさんの差し出したマイクを通して車内流れたので、全員がどよめきました。これを受けてガイドさんが、そう、お婆ちゃんの世代は「ファスナー」ではなくて「チャック」だったものね。沢山株を買ってあげて、と応じていました。いや~、日本のお年寄りはお金持ちです。どうか振り込みサギなどにお会いにならないようにと祈るばかりです。
富山湾に新しい港が造られ、その関連施設としてオープンしたのが「富山キットキト市場」 。生鮮魚介類と新鮮魚介類を食材とした食堂が並んでいました。でも何か「アリキタリ。金太郎アメ。富山の雰囲気がゼロ」と思ってしまいました。東京の人が設計したのか、安上がりにしたのか、チョット残念でした。
「キットキト市場」で昼食を済ませた私たちは、庄川で40分ほど「船上観光」を楽しみました。遊覧船の乗り場は「大牧温泉のりば」。大牧温泉は庄川の川岸にある温泉で、旅館は一軒だけ。船でしか行くことができない不便さが逆に魅力となり、この温泉の露天風呂からの月や星は絶品とか。今ではミステリーの舞台となってときどきテレビに登場する程です。
私たちは、大牧温泉までは行かず、途中でユーターンしましたが、頬を撫でる心地よい川風と、緑の川面と紅葉間近の木々を楽しみました。
最後の目的地が「五箇山」の合掌集落でも、ちろん世界遺産に登録されています。私たちが寄ったのは「相倉地区」、岐阜県側の白川郷のように観光化してしまっていないところが良かったです。
有名になるとすぐに大勢人が来て観光化してしまう。そうするともうかつての良さが失われてしまいます。残念だといいながら自分はバスに乗って今ここに来ている、申し訳ないことだと思いました。
相倉地区が潤うためという思いと、自分へのおみやげとして地酒を一本買いました。銘柄は「越中五箇山 三笑楽 純米酒」 です。このお酒のおいしいこと! すぐに無くなってしまったことが残念です。(失礼しました)