私の職業の縁で、45年ほど前のざっと1年間、生活時間を共有した若い人たち(現在57歳とか)10人ほどが、我が家の庭に集い、バーベキュー・パーティーを開いてくれました。
過日、世話係の I 君が訪ねてきて、「庭を貸してもらえないか」とのこと。もちろんOKだが、設備は何もないよ、と伝えたら、みんながそれぞれ持ってくるから大丈夫とのこと。それでも私は半信半疑、いざとなったら母屋とキッチンを開放すればいい思ってました。
当日、先遣隊から定刻隊に遅刻組まで、次々に小道具を持って現れました。
上の写真は「鰹のたたき」を作っているところ。「バーナーで表面を焼くのが一般的で、料理やでもバーナー焼きを出すところがあるが、風味が全然違う。藁で焼かなければ味も香りも本物でない」と一説を述べながら作業をする人がおれば、「燻製を造ります」といって、作業を始める人もいる。
聞けば、数日前美濃の山奥へ行って、アマゴやイワナを釣ってきて、冷凍しておいた、とか。その彼は山菜取りも名人で、天然ワサビやウドを採取、何とかかんとかしたあと、醤油と味醂と蜂蜜少々の中に一昼夜漬けておくと美味しい「山菜漬け」になるとかで、沢山持ってきてくれました。
11時から始まったパーティーは、午後5時まで、よく笑い、よく食べ、それぞれにほどよく飲み、私は終始感嘆! この世代は子育ての頃からバーベキュー派で、簡易椅子も大小沢山持っているのも、子どもが大きくなるにつれて買い揃えたものと思われます。焼きそばだって、細麺には何とかの垂れがよく合い、太麺委は何とかがいい、とかいって、次々と出てくる。男どもがよく働き、女たちも「合いの手」の入れ方がうまい。
一番の役立たずは私で、「所作」に関しての「生活文化の違い」を実感しました。話題も学生時代の思い出から、それぞれの職場のこと、子どものことから夫婦のことなど、目まぐるしく変わりながら、多くの場合、話に「落ち」が用意されていました。
大学生の子どもが同棲を始めたこと、就職して3年の子どもが会社を辞めてしまったこと、本人も後3年を残して退職したことなど、普通の話題として語られ、助言しあい、励ましあっているところがいい。
私も、大いに「若さ」を頂戴した次第でした。