いろんな住宅会社さんの建築士や設計担当、
それからフリーで活動されているデザイナーさんを見ていて、
最近強く思うことがあります。
これまで私は、
使い勝手や良くでかつ外観がカッコイイ家を設計できる人、
すなわちセンスのある人を一流だと思っておりました。
私自身、設計の業務をしたことがありませんので、
やはり設計担当が一流かどうかを決めるのはセンスでしょ、
と勝手に思っていたのです。
ところが、あるクライアント様で教えていただいたことですが、
使えない設計士は、本当に監督や職人さんの評判が悪いそうです。
というのは、設計が制作した図面をもとに仕事をしていく方たちが、
知りたい情報というものがほとんど掲載されていないからです。
そういう、気が利かない設計士が制作した図面は、
後工程の方たちの問合せ数や打合せ数を増やし、
皆が仕事がやりにくくなるのです。
これはデザイナーも同じですね。
ネットで見た特殊な材料を使うように指示したりするのですが、
その材料、特殊過ぎてどこから入手したらよいのか、誰も知らない。
まあ、自分のことしか考えない。
自分の仕事を受けてくる次工程の方のことなど、
全く考えていない。
こういう人、結構多くありませんか?
昨日、私がお伺いしていたクライアント様の設計担当者。
一級建築士でもあるのですが、
その設計さんがクライアント様に入社してから、
とにかく電話がかかってくる本数がメチャ減ったのです。
というのは、職人さんや監督さんが知りたい情報が、
図面の中に全て書き込まれているので、
わざわざ確認をしなくても良いそうなんですね。
なぜそういうことが出来るのかを質問させていただいたのですが、
「自分も昔、監督をやっていたことがあって、
その時に現場の職人さんや監督が、
どういう情報を欲しがっているのかを理解できたので・・・」
とのことでした。
新築リフォーム合わせて5億近くされていますが、
設計担当一人、監督一人で現場が回っていますし、
何より設計さんは定時で仕事を終わられるそうです。
このように、後工程の人が仕事がやりやすいような、
愛情あふれる図面を描くことが出来る方こそが、
一流の設計士・デザイナーなのでしょう。
どれだけセンスがあろうが、
後工程の人が仕事がやりにくくなる人は二流です。
そういう意味で見た時、
皆さんは一流でしょうか?