鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第3575回】 一流の設計・デザイナーとは・・・?

2020年10月13日 | 住宅コンサルタントとして

いろんな住宅会社さんの建築士や設計担当、

それからフリーで活動されているデザイナーさんを見ていて、

最近強く思うことがあります。

 

これまで私は、

使い勝手や良くでかつ外観がカッコイイ家を設計できる人、

すなわちセンスのある人を一流だと思っておりました。

 

私自身、設計の業務をしたことがありませんので、

やはり設計担当が一流かどうかを決めるのはセンスでしょ、

と勝手に思っていたのです。

 

ところが、あるクライアント様で教えていただいたことですが、

使えない設計士は、本当に監督や職人さんの評判が悪いそうです。

 

というのは、設計が制作した図面をもとに仕事をしていく方たちが、

知りたい情報というものがほとんど掲載されていないからです。

 

そういう、気が利かない設計士が制作した図面は、

後工程の方たちの問合せ数や打合せ数を増やし、

皆が仕事がやりにくくなるのです。

 

これはデザイナーも同じですね。

 

ネットで見た特殊な材料を使うように指示したりするのですが、

その材料、特殊過ぎてどこから入手したらよいのか、誰も知らない。

 

まあ、自分のことしか考えない。

自分の仕事を受けてくる次工程の方のことなど、

全く考えていない。

 

こういう人、結構多くありませんか?

 

昨日、私がお伺いしていたクライアント様の設計担当者。

 

一級建築士でもあるのですが、

その設計さんがクライアント様に入社してから、

とにかく電話がかかってくる本数がメチャ減ったのです。

 

というのは、職人さんや監督さんが知りたい情報が、

図面の中に全て書き込まれているので、

わざわざ確認をしなくても良いそうなんですね。

 

なぜそういうことが出来るのかを質問させていただいたのですが、

 

「自分も昔、監督をやっていたことがあって、

その時に現場の職人さんや監督が、

どういう情報を欲しがっているのかを理解できたので・・・」

 

とのことでした。

 

新築リフォーム合わせて5億近くされていますが、

設計担当一人、監督一人で現場が回っていますし、

何より設計さんは定時で仕事を終わられるそうです。

 

このように、後工程の人が仕事がやりやすいような、

愛情あふれる図面を描くことが出来る方こそが、

一流の設計士・デザイナーなのでしょう。

 

どれだけセンスがあろうが、

後工程の人が仕事がやりにくくなる人は二流です。

 

そういう意味で見た時、

皆さんは一流でしょうか?

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