鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第397回】 明確なビジョンを示すことがトップの重要な仕事

2012年02月01日 | 住宅コンサルタントとして
経営者として、やらなければならないことはたくさんあります。

起業したばかりの当初は、まずは仕事をお客様から受注してくる力が求められていたり、
もしくは素晴らしい技術力で他社が出来ない製品をつくることが求められていたりします。

要するに、営業であったり、設計であったり、製造であったり、
何らかの分野で圧倒的な力が必要だと思います。

そして、事業の成長と共にスタッフが少しずつ増えていくと、
自分自身でプレーヤーとして働きつつ、資金繰りであったり給与計算であったり、
事務所や工場として使える不動産を探したりと、総務経理的な仕事もやる必要があるでしょう。

こうして、ある程度のスタッフが揃った、一見会社っぽく見える組織が出来上がるわけです。

事業が順調に成長し、売上もスタッフの給与も上がり続けている間は、
こうした実務の部分だけ回していければ、組織としてそれなりのモチベーションを持った状態で
日々の仕事に当たることが出来るのです。

要は、経営的なことをほぼ考えなくとも、組織はそれなりに回る、ということです。
(現に今までそういう時代がありました)

しかしながら、今の時代は市場が縮小して競争が激化しています。
しかもこの時代生き残っている会社というのは、当然ながらレベルがそれなりに高いわけです。

こういう時代に、経営トップがノープランで、ビジョンも無く、戦略も無ければ、
市場の縮小と共に会社の業績が下がるに決まっています。

そして業績が下がっていく中で、利益を確保するために、
固定費の圧縮に努めることこそが経営者の仕事である、とばかりに
人件費のカットや人員の削減にいそしむ・・・。

これこそが、負のスパイラルなわけです。

業績の下降と共に、スタッフのリストラ&給与カットが続き、
それに比例して、当然ながらスタッフのモチベーションも下がります。

しかし、経営トップがノープラン。
会社をどうしたいのか、どの分野を強化するのかとかの決断も無い。
選択と集中の発想が無く、どの分野も全て頑張りたい。
で、すべてのジャンルが中途半端。

ますます会社としてまずい方向に行くわけです。

市場が縮小し、売上の維持すら難しい時代こそ、
経営トップが明確なビジョンを示すことが大切なのです。

どの事業を強化するのか?
そこでいくらの売上を達成するのか?
その達成のため、組織をどう変更するか?
何に投資するか?
何を止めるか?
そして、目標を達成したら、社員にどう還元したいのか?

こうしたビジョンを明確に示し、目標達成したら何をするかということを社員に約束する。
そしてそれに取り組んで、進捗をチェックし、
上手く進んでいない場合は何を改善するのかを即決し、実行していく。

こういう経営者だと、厳しい時代でも会社は成長し、
社員さんのモチベーションは上がるのです。

自社の明確なビジョンを社員さんに伝えることが、本当に大切なのです。
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