会社を倒産させる経営者に共通するのは、
そもそも数字に弱いということと
焦るのも手を打つのも遅すぎる、ということです。
売上高は理解できるのですが、
原価や粗利益額・粗利益率のことが
正確に理解できていない。
そして自社の販管費がいくらかかっているのかは、
もっと理解できていない。
更にキャッシュフローとなると、
もう全く理解できていないのですね。
売上がどれだけ成長していたとしても、
営業利益が黒字だったとしても、
支払いが滞ってしまっては、
会社の信用がガタ落ちですし、
二度と仕入れ先さんは取引してくれないでしょう。
手形を発行していたら、倒産です。
支払いを現金でやっていたとしても、
「支払い、待って下さい」
とお願いしたら、信用がゼロになってしまい、
その先の仕入れが難しくなってしまうのです。
支払いは、仕入れ先様との約束です。
仕入れ先様にもいろんな事情があるのですから、
絶対に支払いが滞ってはいけないのです。
だからそうならないように、
キャッシュインとキャッシュアウトを
業種にもよりますが、3~6か月先まで予測し、
資金繰りの対策を打たなくてはなりません。
こうしたことができていない経営者は、
数字に弱いというか、自社を把握できていない、
と言われても仕方ないかと思います。
次に、焦ったり手を打つのが遅すぎる、という点について。
資金繰りが大変になってから焦ったり、
それから手を打ったりする訳ですが、
いやいや、もっと前から焦って手を打たないと、
と思います。
お客様が来場してくれない。
商談できるお客様がほぼいない。
紹介も発生しない。
今までやっていたことが通用しない。
受注が激減しているので、今期も来期も赤字。
これまでのやり方を抜本的に変えなくてはならない、とか、
事業形態を変える必要があるのではないか、とか、
そもそも自分は経営に向いていないのではないか、とか、
そういう判断を早くすることで、どん底に落ちる前に
色々と手を打って最悪の状況を回避できたり、
場合によっては清算できたりする訳です。
ところが、焦って手を打つのが遅すぎると、
もうあり得ないくらいの借り入れを起こしていて、
やり方を変えたり業態を変えたり清算することが
出来なくなってしまうのです。
手遅れな状態になってから、手を打っても遅いのです。
そうならないよう、経営者は数字に強くなり、
更には常に危機感を持ち、
時代の変化や顧客の変化に合わせ、
自社をドンドン変えていかなくてはならないのです。