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吉賀町へカタクリを見に行ったついでに足を延ばし津和野に行ってきた。
9号線から見下ろす津和野の町は昔と変わらぬサクラのピンクと菜の花の黄色に染まり春真っ盛りだ。
高校卒業まで暮らしたこの小さな町には私の思い出がぎっしりと詰まっている。
まずは腹ごしらえにとコンビニでお弁当を買い9号線から町全体を見下ろして食べようと車を走らせた。
満開のサクラの隙間から石州瓦の美しい街並みや稲荷神社、石垣だけのお城山をカメラに収めのんびりとお弁当を食べた。
数年前にこの町に住む親友が60歳目前に急逝し、とても帰る気にならなかったが不思議に桜の花に誘われるように心が弾んできた。
ふと、学校帰りにいつも友人達と行っていた乙女峠や永明寺に行きたくなり夫を誘った。
乙女峠はやはり私の足では自信が無く今回は諦め永明寺の森鴎外の墓所にお参りすることにした。
夫は車で待つと言い私一人で向かった。
静まり返った境内の坂を登りつめると山門がありはぁはぁ言いながら周りを見回したが私の脳裏にある墓の位置や本堂からの眺めが一致しない。
私の思い違いか、長い年月に位置も変わってしまったのか定かではないが「森林太郎」とだけ書かれたお墓は昔のままだった。
高校近くにある鴎外の旧居で遊んだり、碑の拓本を取ったり、墓の周りを掃除したり草むしりをしたり何だか身近に感じていた鴎外は今ではもうすっかり歴史上の人物になり足元にも及ばない。
「鴎外さん、恋人の消息が判りましたよ」