徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

創作実験クラブ / 3日目 包む行為の研究1:美術史に学ぶ

2021年09月15日 | クラブ活動


この日は
包む行為の研究に取り組みました。

その前に・・・
鉛筆を扱った画材研究の
その後をレポートします。



上の写真は
4H~8Bの鉛筆を用い
書く・描くという意識ではなく
面を作った図です。

仕上がった面は濃淡だけでなく
かなり質感が異なる結果となりました。
物質としての存在感が
それぞれに際立ち
画材の範疇を越えた印象を受けます。



こちらは、異なる硬さの鉛筆を
同じ手で2本握り書いた図です。
文字の影を見るような・・・
不思議な空間が生まれたように見えました。



この日の本題について・・・

美術史上で<包む>というと
まずは
クリストとジャンヌ=クロード夫妻
活動が思い浮かびます。



夫妻の計画段階も含めた一連のプロジェクトは
1960年代に芸術の概念を拡張させました。



包むことで存在を変容させる
・・・と短文では解説しきれない
様々な要素が付随したプロジェクトです。
ちょうど数日前
ご夫妻亡き後、甥っ子さんが
パリの凱旋門のプロジェクトを実現させたと
ワールドニュースで流れました。
彼らのプロジェクトが
今なお継続していることを知り
嬉しく思いました。

**

次に
<包む事例2>として
河口龍夫さんを紹介。



氏の展覧会図録にある
「封印された時間」として制作された
化石の拓本を見ました。



太古の地層に眠る化石たちは
言い換えると
地層に包まれているとも言えます。



時を超えて見える図像から
私たちは何を読み解けるでしょうか。

***

最後に
<包む事例3>として
内藤礼さんを紹介しました。



こちらは
クリスト夫妻とは逆で
作品が布に包まれています。

30年程前に私は偶然にも
美術館内に設置されたテントの中で
作者が小さな世界を構築している
現場に遭遇した事があります。




その包まれた空間には
<神は細部に宿る>
・・・と言うにふさわしい世界が
あったと記憶しています。



***

包む行為の研究のための実習では
河口さん、内藤さんの手法を模しました。

下の写真は
種子が付着したスコップを
鉛シートで封印した河口作品です。



実習では同じく鉛で
そして
内藤さんと同じくガーゼで
何かを包むことにしました。



まずは材料の特質を
確かめることから・・・



薄い鉛シートは見た目より
重くて
なめらか
弾力性があって
加工しやすい・・・



ガーゼは
ガーゼの用途を外した
扱いを考えてみる・・・



とりあえず
手あたり次第に包んでみる・・・



鉛とガーゼを合わせてみる・・・



次回の実習では各人の着眼点から
包む行為の研究を進めます。


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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