徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

大型カメラ体験講座 / 1日目 8x10 & 4x5カメラでの撮影

2020年10月28日 | 銀塩写真講座

大型カメラ体験講座
初日のレポートです。

この日は鶴橋の研究所ではなく
主宰者の自宅にておこないました。


例年は4x5カメラでの撮影ですが
今年は8x10カメラも含めての
大型カメラ撮影実習としました。

4x5カメラを所持している受講者さんは
コンパクトに折りたためる
トヨフィールドを自宅から持参。

・・・のはずが
大きな荷物でのお越しでした。


カメラを組み立てた後
たためなくなったとの事。


原因は
アダプターレンズボードが本体に
装着されていたためでした。

フィールドカメラは慣れるまでは
各部位の操作に手こずる事がよくあります。




撮影にあたっては
露出計の扱い方、測り方からスタート。


カメラを組み立て・・・


撮影手順を記したテキストを
確認しながら撮影を進めました。


しかし
今回は近接撮影のため
露出計に表示される
絞り値とシャッタースピードでは
露光不足となります。

露出倍数なる値を割り出し
補正しなくてはなりません。



被写体の実寸と
カメラのピントガラスに写る
画像サイズを測り
補正値を求め・・・・


1カットごとに時間をかけて撮影を進め・・・


8x10カメラで2枚
4x5カメラでは4枚
合計6枚を3,4時間かけて撮影しました。


デジタルカメラでの撮影が
日常化した現在において
今回の6枚の写真は
同じ「写真」と呼称されますが
全く異なる存在であるはずです。

2日目はフィルム現像。
3日目はプリント作業と続きます。

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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美術研究クラブ / 10月:縄文芸術の研究

2020年10月27日 | クラブ活動


美術研究クラブ、10月のお題は
縄文芸術の研究。

本活動も北海道と繋いでの活動です。



岡本太郎氏は縄文時代の土器や土偶こそが
日本芸術の原点に違いないと確信したとの事。

私たちの遠い祖先が持っていた美意識であり
今もなお、潜在的に
その血を受け継いでいるからかもしれない。

そのような視点で
土器・土偶の資料文献に目を通し
縄文時代に思いを馳せ・・・



テラコッタ粘土を用い
実際に手を動かしてみました。



火焔型土器を想起させる造形や・・・



簡略型の器や・・・



重要文化財のハート形土偶のような
造形も見受けられました。



これらの制作物は
来月に落ち葉を集めて焼く予定です。

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作品制作研究講座 / 6日目 新たなメンバーを迎えて自作の検証

2020年10月24日 | 研究講座

作品制作研究講座
夏休み明け初日の報告です。

まずは
制作の進行状況のヒアリングから。

2か月間におこなった
幾つかの試作を拝見しました。



上の写真の取り組みでは
細部への意識の向け方が
丁寧であることが印象に残りました。

美術館くらいの展示スペースが必要な
壮大なプランです。
現段階では
どこまで具現化できるのか未知数ですが
今後の展開に期待します。





秋から新たなメンバーを迎えました。

本来は春からの受講予定でしたが
緒事情にて、このタイミングとなり
駆け足で「表現とは何か」と
ステイトメントの必要性についての
レクチャーを経て・・・



今回
数年間かけて制作された作品を
ステイトメントとあわせて
披露いただきました。



始めて作品に接する方にとっては
どのように鑑賞し何を理解すべきなのか



作品との向き合い方を探しながら・・・



質疑応答が小一時間続きました。



今回
表現内容と技法についての解説が
如何に難しいか実感する事となり・・・



次回の講座日に
改編したステイトメントを用意する事を
宿題としました。

改編にあたり参考図書として
ヤコブ・アガムの作品集をお貸ししました。


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創作実験クラブ / 7日目 初ZOOM:休暇中の活動報告&次回のプラン会議

2020年10月22日 | クラブ活動



2か月間の夏季休暇を経て
創作実験クラブ、後期初日の報告です。

これまで活動を共にしてきたメンバーが
8月に北海道に引っ越しました。

寂しくなると思いきや・・・
大阪と北海道をZOOMで繋いで
クラブ活動を継続いただく事になりました。



そこで
広角のウェブカメラとマイクを準備して
室内を俯瞰する構図でカメラを据えて
リモート対応設備が完成。

春に大学で
ZOOM授業を担当した経験があるため
TIPAでの導入はスムーズにおこなえ
ひと安心。





後期初日は
このような活動風景で再開しました。



この日は長期休暇中の活動報告会。
まずは
休暇中に個展を開催された方より
展示作品をプレゼンしていただきました。

それから・・・



上の写真は
主宰者である私の展示中作品の断片です。
この創作実験クラブでの活動中に
着想を得て作品化したと報告。



ティータイムを挟み
後半は次回からの実験プランについて
話し合いました。



プラン会議の結果
次は北海道からレクチャーいただき
クロマトグラフィー

実験に着手することになりました。

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創作実験クラブ / 6日目 小さなゲストも一緒に藍染実験

2020年10月17日 | クラブ活動



毎年2回おこなっている藍の生葉染会
本記事は2日目の報告です。

今回は上の写真のように
近所の子供たちとも一緒に
藍染に取り組みました。



豆絞りの準備をして参加したのは
子供たちのママ。
やる気に満ちた準備に驚き
少し話しをすると
私がよく知る京都の芸大卒との事。
共通の知人も居そうな感じで
自宅近所に同じフィールドの方が
居たことを嬉しく思いました。



前回同様に、藍の葉を摘み・・・
葉液を作り、浸け込み・・・



空気にさらす、そして水洗・・・
この工程を繰り返して
各自が求める青色に染め上げました。



時世がら、今回もマスクを染め・・・



スニーカーも染めました!



それから、どうなる事かと
結果を注目していた革染は・・・



表裏、異なる色味となって完成。



ツートーンブルーの革を活かして
その後、何か作るとの事。



素手で作業をした手は
指先が青く染まりました。




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サイアノタイププリント・マンツーマン制作研究

2020年10月16日 | 古典印画技法講座



2日間にわたっておこなった
マンツーマンでの
サイアノタイププリント制作研究の報告です。

TIPA定番講座メニューである
古典印画技法・サイアノ講座を受講された方が
作品として仕上げる目標を掲げての2度目の受講。

通常のサイアノ講座では
必ず成功する材料を用意し
確実に成功する手順を踏み実習を進めます。

ゆえに
誰しもが成果を出す事ができます。
しかし
その成果は予めTIPAが用意したものであり
体験に過ぎません。

作品と呼ぶには体験に留まらない
次のステップに進む必要があります。

今回は
そのお手伝いをする形で進めました。



受講者の方は
表現内容に適しそうな紙を
幾つか持参されていました。



初日は持参の紙の発色など
各紙の特性を確認する事からスタート。



10パーセント刻みのグレースケールを焼き付け
白から青への諧調のあらわれ方を実験。



テスト露光中には
デジタルネガフィルムの作成手順の復習・・・



そして紙の裁断・・・



実験結果を元に
デジタルネガフィルムを仕上げ
プリント作業へ・・・



露光を終えて現像作業に進むと・・・



!!!

画像は薄っすら確認できるものの・・・

1日目の実習はここで終え
失敗の原因を検討しました。

サイアノ歴30年を超える私には
幾つかの問題点が思いつきます。

明日に向けての対策を講じ2日目を迎えました。



2日目の実験は滞りなく進み
表現内容に適する紙の候補を絞れました。



実際の制作はこれからですが
第一歩となる研究結果を得る事ができました。

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作品制作研究講座 / 5日目 過去作品を振り返る&制作経過報告

2020年10月13日 | 研究講座




作品制作研究講座
リピート受講バージョン
5日目の報告です。



今回は
これまでに制作した作品を
幾つか提示いただきました。



こちらの作品は
意味を発生させないことを
コンセプトにした
ビジュアルブックとの事。



ページをめくると・・・
視覚に訴える図版が
次々と目に飛び込んできます。



感覚を研ぎ澄まして編集した事が
伺えるブックでした。



こちらは異なる写真を編み合わせ
新たな空間を生み出すことに取り組んだ
試作との事。

様々な視点での過去作品を拝見する中で
これらに共通する何かを探すと同時に
次作に繋がる視点についても検討しました。



いっぽう
これからの数年をかけて
本腰を入れて取り組む制作の
実行段階となった方の
経過報告も受けました。

実際に制作を進める中での気づきを伺うなかで
再考の余地がある部分を確認しました。

次の講座日は2か月後です。
どのような報告があるのか期待して
この日の講座を終えました。



2020年10月開始講座
受講受付中


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創作実験クラブ / 5日目 葉摘みからの藍の生葉染め

2020年10月12日 | クラブ活動



今回は大阪・鶴橋の研究所ではなく
信貴山麓の大阪側にある
主宰者自宅にて実習に取り組みました。



お題は「葉摘みからの藍の生葉染め」



摘み取った葉は水洗いして
ミキサーにかけて葉液を準備し・・・



被染物を青汁のような葉液に浸けます。



すると・・・
緑から徐々に青へと変色し
そのうちに爪も青く染まってゆきます。



藍染は<藍色=濃紺>と認識される方が
多くいらっしゃると思いますが
生葉染は軽やかな青色となります。

また、絹・綿・麻・・・など
素材によって青の発色が様々です。



手前のマスク2つの左はアベノマスク。
優しい青色に染め上がりました。



実習後は
夕焼鑑賞と共に食事会。



気持ちの良い汗をかきながらの野外実習を
例年通り開催できたこと、嬉しく思いました。


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美術研究クラブ / 7月:感性についての研究

2020年10月09日 | クラブ活動

長く教育の現場にいるなか
「感性の磨き方を知りたい」

繰り返し質問を受けてきました。

しかし
この質問に対しての返事は
なかなか難しく・・・

そこで
今回は「感性」についてを
お題としました。



エチエンヌ・スリヨの
『美学入門』からの抜粋

バウムガルテンは
精神の能力には
二つの水準があると考える。
・・・と記す
配布資料を読むことからスタート



その他、幾つかの資料と
国立国際美術館での
展示作品の解説を加えたのち
実習に取り組みました。



小一時間の制作を経て
仕上がった画面はコチラ



意識を変えて制作した本画面に対し
互いにコメントしあい・・・

翌月から北海道に引っ越す
メンバーを囲み
最後の記念撮影をおこない・・・

この日の研究を終えました。

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作品制作研究講座 / 4日目 制作確認、制作ノートのこだわり

2020年10月08日 | 研究講座

作品制作研究講座
リピート受講バージョン
4日目の報告です。

今回はある方の紹介を・・・



制作確認の日に
持参しやすいサイズの絵画を
次々に提示いただき・・・



プランニング段階の制作は
スマホ画面で説明がありました。



提示物にまつわるディスカッションは
制作ノートに順次、記録。



この制作ノートは
どの参考書よりも有効な個人テキストとなり
将来、ご活用いただけるはず。



パワーを秘めたような存在感です。



ちなみに、私の制作ノートは
制作系の方にとっては定番の
モレスキン

こだわりは
ペンクリップを付けて
シャーペンを掛けている部分です。
肌身離さず持ち歩いています。



2020年10月開始講座
受講受付中

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*美術研究クラブ*
*創作実験クラブ*


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