徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

■ 表現研究講座 6日目 版表現への展開2

2010年06月27日 | 表現研究講座


シルクスクリーンプリント体験2日目。

シルクスクリーンプリントは
日本の友禅染・型染の型紙からヒントを得て
イギリス人が絹を使った印刷版を考えたことが始まりとされています。
当時
スクリーンの素材として絹を使っていたことで
シルクスクリーンプリントと呼ばれています。
その後
この技術はアメリカで成長を遂げました。



という歴史を踏まえ
この日は染色用の型紙の紹介から。



江戸小紋などの型染めに用いる型紙
“伊勢型紙”です。



型を彫る職人さんの技術に感動します。

***

この日の作業は
前回に引き続き、同じ版を使い
様々な版表現を試行しました。



一枚の写真原稿を元に
色・刷り方に工夫した成果をご紹介します。







色を変える事で印象が変わります。
詩的情緒豊かな作品となりました。







写真原稿の上に放射状にカットした版を重ねています。



WEB上では見辛いですが、下地はゴールドです。
存在感のある仕上がりとなりました。







写真原稿の段階では
ひよこの“かわいらしさ”が伝わる画像でしたが
シルクスクリーンプリントに変換した画像は
ユーモアを感じる表現になりました。







画面から流れ出た草色のストライプ。
その表現は
芝を駆ける馬の流れのように感じます。



放課後には、上記の紹介作品以外に
Tシャツやバック、ノートなどにも画像を刷り
オリジナルグッズを作りにも励みました。

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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■ シルクスクリーン研究科 6日目 制作・研究発表

2010年06月26日 | シルクスクリーンプリント講座


シルクスクリーン研究科では
色彩・加飾・インク・紙と
毎回、様々な研究をおこなってきました。

本日は前期最終日です。



しかし
お休み期間を挟む気配は感じられず
受講生の皆さんは制作意欲に満ち溢れ
大量の版作りをされています。



この数週間、
ひとり平均6~7枚
新たな版を作成するという状況です!




***

秋からは、いよいよ
これまでの研究を活かし
作品制作に専念する予定です。



そこで、夏休みの前に
個々に研究成果を発表し
皆でアドバイスしあう場を持ちました。



以下、研究成果の紹介です。



展覧会出品の予定があり
表現しようとすることは決まっています。
今後は版の作り方や色の使い方など
自分のスタイルを確立する段階です。
具体的な目標に向かって
制作に専念して頂きたいと思います。





過去に撮影した写真をシルクスクリーンプリントへ
変換することに取り組まれています。
表現メディアを変換する時に生まれるタイムラグを
コンセプトとして作品を成立させたいとの事。
この取り組みは
徳永写真美術研究所としても研究したいテーマです。
今後の進展が楽しみです!





シルクスクリーン技法に対する情熱を強く持つ作者。
それ故、インクジェットプリントでも
可能な表現でおさまる事のないよう
試行錯誤中です。



様々なプランを持ちながらも
まだ本格的な刷り作業まで進んでいません。
講座メンバー内で
ご本人へのアドバイスに盛り上がりました。





シルクスクリーン研究科では
作品として成立させるまでを目標としています。
秋以降の取り組みにご期待ください。

-追記-
この講座は長い夏休みを設けています。
しかし
休み中も集まって制作したいとの声に応え
“シルク同好会”として
定期的に個人制作を進める会を発足することにしました。

TIPAとしてもこの精力的な動きをうれしく思っています。




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■ 写真講座 6日目 メルカトル写真 etc

2010年06月20日 | 銀塩写真講座


本日から
モノクロプリント作業を学びます。



まずは多階調印画紙の特性・フィルターの使用法を解説。



即、暗室にて実践。



この日はコンタクトプリントを作成するところまで。

しかし
TIPA写真塾では一工夫



コンタクトプリントが作品となる課題を出しています。



メルカトル写真課題と名付けています。

36カットの写真を1つの図とする取り組みです。
右下には自身の姿をサインとしています。



【追記】
前回のピンホール写真課題において
反転できなかった作品が完成しました!



雪景色の写真を背景に
エッフェル塔・マンモス・墜落した飛行機?で構成された画面です。
脈絡なくモチーフが絡み合い
不思議な空間を生み出しています。


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■ 表現研究講座 5日目 版表現への展開1

2010年06月13日 | 表現研究講座


全2回のカリキュラムで
シルクスクリーンプリントに取り組みます。



秋からスタートする【表現研究講座2】
シルクスクリーンプリントを本格的に学びますので
この講座では
一通りの工程を体験します。



体験ではあるものの
印刷についての基礎的な説明も
きちんとおこないました。



徳永写真美術研究所では
写真表現の延長で
シルクスクリーンプリントを捉えています。
そのため、最初は
写真を原稿とする版表現に挑戦します。



“写真製版”と言うと
難しそうに思われがちですが
手順通りおこなえば
失敗はほとんどありません。



版が完成したら下準備です。
はやる気持ちを抑えて
丁寧にマスキングテープを版に貼ります。



いよいよ刷り作業です。

色の魅力を考え
納得できる色ができるまで
色の調合にはこだわりました。



写真製版した版を刷るだけでなく
オープンスクリーン(製版していない版)を使用して
下地も刷りました。
全面に均一にインクをのせる事の難しさ
それができないからこそできる
ムラのある画面の面白さを感じながらの作業でした。



皆さんの取り組みを紹介します。



原稿はウインドゥに写り込む女性達の足と
その向こうにあるピアノの鍵盤。
何をどう目立たせるか
どこに何色をもってくるか
その計画をたてながらの作業。
考え過ぎると手が止まるので
とりあえず刷ってみる!という所から突破しました。



ひよこがモチーフですが
イエロー系にすると普通なので
色出しに一苦労。

失敗?と思った色も版を重ねる度に
思いよらない素敵な色合いになりました。



かすれたように下地を刷ることで生まれる
テクスチャーを活かした2版・2色刷りに挑戦。
1枚も同じものができない独自の作品ができました。



インクを完全に混ぜないマーブリング技法や
版をずらして重ねるスライディング技法で
躍動感ある画面になりました。



次回は紙だけでなく刷りたい物を持参しての作業です。
皆さん、どのような制作物が完成するのか
とても楽しみです。

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■ シルクスクリーン研究科 5日目 紙の研究

2010年06月12日 | シルクスクリーンプリント講座


今回は紙の研究です。



紙の扱いに注目して
あらためて印刷物を観察すると
様々な効果を発見できます。

その効果を
シルクスクリーンプリント技法において
応用してみる事が今日の研究課題です。



受講生には
どの紙から実験しようと迷うほどの
たくさんの多様な紙が配布されました。

まずは、紙の名称の確認から。





どんどん刷りました。
紙質によってインクののり方が異なります。





ある人は自宅からハギレを持参して
実験に取り組まれていました。



布の地模様とシルクスクリーンプリントによる図が
オーバーラップして不思議なテイストを生み出しました。



5つの版を重ねて仕上げた作品です。



右側はヴィベールというフワフワ・モコモコとした紙に刷っています。
インクが浮いたように見えます。
ビジュアルイメージとの相乗効果で
捉えどころのない魅力が感じられる仕上がりとなりました。


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◎ シルクスクリーンプリント1dayワークショップ開催

2010年06月09日 | お知らせ


徳永写真美術研究所
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 お知らせ


1日体験講座として
シルクスクリーンプリント1dayワークショップを開催します。

お問合せ・お申込みは
i@tokunaga-photo.com




開催日:7月19日(祝)・9月5日(日)
全1回
両日、同じ内容です。

定員:8名

受講料:3800円

会場:徳永写真美術研究所
〒544-0031大阪市生野区鶴橋4-4-1

本講座で使用したスクリーンとスキージーは
お持ち帰りいただきますので
インクを用意するとご自宅でも刷ることができます!





ご参加、お待ちしております。


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■ 写真講座 5日目 モノクロフィルム現像

2010年06月06日 | 銀塩写真講座


今回から本格的に暗室作業を学びます。

まずは
モノクロフィルム現像。

初体験の方にとって
最も難しい作業は現像作業ではなく
前段階の
フィルムをリールに巻く事です。

この作業がうまくできなければ
確実に現像ムラが起こります。

前回の授業で
充分に練習をしたものの
本番で上手く巻けるか、不安でいっぱいの様子。

実のところ
さすがに初回から完ぺきに巻くのは難しく
適宜、ヘルプを入れながら
リール巻きを済ませました。





現像作業においては
処理時間通りに作業を進める事が第一です。



皆さん、時計を見ながら作業に集中。

同じ作業の繰り返しの為
時間が判らなくなってしまったという
ハプニングもありましたが
なんとか
結果オーライ!



各自、2本のフィルム現像を完了できました。

この日は授業後に
ある写真家の講演会に参加するため
コーヒーブレイクをはさまず
授業を終えました。



講演会については
後日、TIPAコラムにて掲載する予定です。


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■ シルクスクリーン研究科 4日目 インクの研究

2010年06月05日 | シルクスクリーンプリント講座


今回はインクについて研究します。



紙用インク
紙・布兼用インク
透明インク
絵の具
etc.

様々なメーカー・種類のインクを用意しました。

通常
版画作品を仕上げるにあたり
一種類のインクで刷るものだと思いますが
TIPA式シルクスクリーンは
様々な組み合わせを研究。
あらゆる可能性を試します。

その結果
「これはオモシロイ!」

発見した成果物です。



不透明のインクと透明インクを組み合わせました。



染色的な鮮やかな発色で
色の重なり部分が迷彩柄のような効果を生みました。



背景のストライプ部分は
刷り方の違いで発色が異なっています。



インクに金粉・銀粉を練り込みました。
写真では見えませんが
鈍くチラチラと光っています。
上品なテクスチャーとなりました。



1950年代に複製芸術として生まれたこの技法。
現在においては
多くのメディアは複製できて当たり前の時代。
ならば
スクリーンを通して表現できる魅力に注目した
1点モノとしての表現も
良いかも知れないと思うこの頃です。


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