僕らが普段暮らしている下界から、天文台建設現場のあるみかんの丘に行くには、山の中の道路を延々走らなければならない。ところがふもとのやぶの中に、木々に隠れて丘まで登れる細い道が1本だけある。
「緑のトンネル」。 軽トラックがやっと登れるその道を、僕はそう名付けた。
長さわずか100メートルほどの、簡易舗装のその道は、覆い茂る樹木の緑の中を辿る。晴れた日には木漏れ日が美しい。季節々々にはユキノシタなど湿地の花が咲き乱れる。
地区の人しか知らない「緑のトンネル」は、この世界から宇宙(そら)への扉みかんの丘に通じるワームホールだ。
「緑のトンネル」。 軽トラックがやっと登れるその道を、僕はそう名付けた。
長さわずか100メートルほどの、簡易舗装のその道は、覆い茂る樹木の緑の中を辿る。晴れた日には木漏れ日が美しい。季節々々にはユキノシタなど湿地の花が咲き乱れる。
地区の人しか知らない「緑のトンネル」は、この世界から宇宙(そら)への扉みかんの丘に通じるワームホールだ。