望遠鏡かぐや姫のときもそうだったが、この天文台の図面を引く時、作り易いかそうでないかを考えた事はあまりなかった。機能重視で、頭に描いたとおりに作りたかったから。
実際の作り方は図面を眺めていればそのうち思いつく。それがこれまでの手法だった。
しかしかぐや姫のペディスタルを作り始めて、それが困難な事もあるのを知った。
イメージしたかぐや姫の赤道儀、それはパロマー山の巨大望遠鏡のような馬蹄形になるはずである。だからペディスタルも細長い台形だ。しかしその台形をコンクリートブロックで作るのは大変だ。角の部分が噛み合わないのだ。黒姫のペディスタルのような正方形の時のようにはいかない。
機能が建材に左右される事のあるのを思い知った。考えれば当たり前の事である。