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印旛沼再生には、冬期湛水水田による経済効果を(4)

2005-08-16 21:53:30 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
satochiba:0740] 2004年12月2日 22:27
 これからの日本も、本年夏から秋のように、明らかに地球温暖化等の影響で、
来年以降も、台風や集中豪雨等の自然現象の狂暴化が危ぐされています。
そこで、現在の印旛沼の堤防を有効に利用し、かつ自然再生を図る図式として、
全域での貯水量を大きく減らしていく算段を考えるべきだと思います。
 減少すれば台風が来ても水の流入許容量が増え、台風等に強くなります。
大地震にも強くなります。
 特にかっての自然の水位まで、季節季節に下げられれば、沈水植物や葦、
アサザ等の復活から始まって、必ず水質再生に自然の力で回復してゆけます。
 これだけ大きな自然湖沼です。
水質再生には、本来の自然維持に携わってきた農家の方々の参加を得て、
かつ生態学的な見地からの取り組みが必須です。
 そのキーワードは、農法改善です。

 明後日(4,5日)から宮城県蕪栗沼のある田尻町の行政と地域のNPO(当方も会員)
が中心になって、冬期湛水水田の大きなシンポジウムが開催されます。
 田尻町が中心で、冬期湛水水田+直まき農法でも7俵以上の収穫を得ています
(稲刈り以外まったく田んぼに入らない)。
無肥料無農薬農法で11.5俵以上を収穫している農家もあって、慣行農法との収穫量は変わらなくなりました(投入費用がかからない)、若手の稲作への参入が続き、
学校の先生方や田尻町始め行政の若手が、続々と農家へと参入し出しています。
売値は2倍以上という格差を生じ出しています。
味が違うと皆様がいい、直接販売で完売。
 印旛沼周辺域でも地域の農家の方々が、その良さをわかり出すのに時間は余りかからないと思います。
 早く、印旛沼に生態学的な負荷のかかる農法からの脱却を、春に大量に水を使うような農法からの変換を希望し、ロマンのある自然を再生させながら面白い、最先端農法としての、冬期湛水水田等に注目が集まっています。

 印旛沼周辺からの、シンポジウムと現地見学に多数の方々が参加されています。



カリフォルニア州における水鳥と共生した冬期湛水水田取組み紹介

2005-08-16 21:43:18 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
2004年12月2日 22:27
カリフォルニア州における水鳥と共生した冬期湛水水田取組み紹介
…… 水鳥と農業の共生を励ます ……日本雁を保護する会 呉地正行

 水鳥と農業の共生を励ますプログラム(AWIP)(The Agricultural Waterfowl Incentlve program)は、Centtral Valley Project Improvement Act of1992(CVPIA)の事業の-つとして、米国内務省魚類野生生物局及び干拓局の共同事業で、農家が水鳥に生息地を提供するために農地に水を張ること等を支援するものである。
 農地の所有者は、この生息地を作るために責やした費用(用水またはポンプでの地下水汲み上げ、必要な施設建設責)の50%までの支払いを受けることができる。
 このプログラムは,1997年に始まり、2002年に終了した。
 この支援を受けるためには、農地所有者は最近の農地への潅がいの記録、水源への接続方法、その水源への水利権を有すること、カリフォルニア州のセントラル・バレー地区の対象地域内に農地を有すること、最低基準の面積を満たしていること、提供された農地を所有していることが必要である。
 多くの穀物を作っている農地がその資格を持つが、水鳥にとって役に立つ炭水化物を多く含んだ麦、米、その他の小粒の穀類が好ましい。特に米はこの事業の要求と目的から最も理想的である。
収穫後に耕地に残された穀物は、北の繁殖地へ渡る水鳥にとって優れた炭水化物源となる。水鳥が最も集中して利用するのは、耕地に水が張られた直後で、それは穀物が最も得やすいからである。その後冬の間に、落ちモミなどの穀類は少なくなり、稲ワラの分解が進むと、その結果生じた腐食性の有機質の「シチュー」が、渡り性水鳥が利用できる食物の高タンパクの要素となる様々な無脊樵動物の住みかとなる。湛水した農地は、優れた水鳥への食物提供源として始まることに加え、ガンやカモの休息環境も提供する。
 耕作技術にもよるが、米を収穫すると1エーカー当たり4トン以上のワラと切り株が田んぽに残されるが、その大半は次の春に穀類を植える準備をするまでに取り除かなければならない。稲作農家はワラ焼きの規制が強化されそれに変わる稲ワラ処理の方法を求めてきたにもかかわらず、伝統的にワラ焼きを続けてきた。収穫後のワラが残った水田に水を張る方法はワラ焼きに変わって大量の稲ワラを処理する実現可能な方法である。農家にとって、ワラを分解することが必要であることが、結果として水鳥の生息地を生み出すという付加的な恩恵を生み出し、CVP水供給にとっても恩恵を与えている。
 
 初年度は申請した80軒の農家のうち41軒が採択され、21,503エーカーの水鳥の生息地を創出し、$904,508がCVPIAから支払われた。1軒の農家を除き他の農家は11月初めから2月末まで水を張った。1軒の農場(Hansen Ranch)では、8月から10月にかけ早く渡ってくる水鳥のために晩夏から秋にかけての環境を提供した。ここではアルファルフアの牧草地や小麦畑に8月末に水を入れるが、Black R00t Rot病対策として、10月中旬に水を抜いた。ここでは40,000羽以上の水鳥が3000エーカーの湛水農地を利用したがそのうち30.000羽はオナガガモだった。この付近にはかつてTulare湖という湖があり、多くの水鳥が生息していたが、その後農地化され水路整備もされたため水鳥は姿を消した。かつては一年中水があり何百万羽もの水鳥のオアシスであったところが、いまでは一時的な湿地となった。湖はずっと昔に干拓され、今では農地に変わっている。この地域では90%の自然の湿地が消滅しているので、かつての姿に戻そうという取り組みが行われている。Krn国設保護区(NWR〉では10月中旬にボツリヌス菌により40000羽のうち600羽の水鳥が死亡した。このような病気が起きた場合でも。この事業により現存する湿地を中心とした生活圏の外側に新たな水域をつくることにより、病気を防ぐことができる。
 
サクラメントバレーの保護区ではマガン、ハクガンは日中は保護区におり、夕方にカモより少し早く周辺の収穫後の湛水水田へ向かう。赤外線スコープや電波発信機を用いることにより、夜間のガン類の湛水水田利用状況を正確に調査することが、部分的にAWIPの資金を得ることにより行うことができた。
 米国魚類野生生物局(USFWS)はダックス・アンリミティド(Ducks Unllmlted〉と共同で冬期間2週間ごとに地上と空中から調査を行った。
 
野生生物保護分野での恩恵、価値そして精紳は、AWIPの成功のまさに中核となる。AWIPは農業と水鳥の共同社会が、農家が日々の作業とともに水鳥の生息地の創造に協力しながら、同じ目的を達成するために協働することができる優れた事業の提供を続ける。
 1997/1998越冬期にはサクラメント・バリー(500,000エーカー)の内、5-8%がこの事菓に参加した。20,000エーカー以上の水鳥の生息地が昨年度創出され、今年度は40,000エーカー以上となった。
 
AWIPによる優先順位が高い恩恵
(1) 自然の湿地の90%が農業や商業開発で消滅してしまったカリフォルニア州で、水鳥の越冬環境を創造する。
(2) 良質の食物資源の提供
(3) 伝染病等の減少(トリコレラ、ボツリヌス菌)
(4) 刈り取り後の稲ワラの分解
(5) ガンカモ以外の鳥にとっても良い生息地

長期的な目標;
農家がこの事業の助けを借りることなく、彼ら自身で水鳥の生息地を創造すること
2つの湛水オプション
秋/冬 湛水:最低80エーカーを渡り性水鳥の生息地として提供する。
春/夏 湛水:最低3エーカーを留鳥性の水鳥の繁殖地として提供する。
以上

印旛沼再生に向かって、米国での事例

2005-08-16 21:40:15 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0741] 2004年12月2日

カリフォルニア州における水鳥と共生した冬期湛水水田の取り組みの紹介
…… 水鳥と農業の共生を励ます ……
日本雁を保護する会 呉地正行
 ご覧下さい
 冬期湛水水田化は、世界でも確実に広がっています米国のカルフオルニア、セントラルバレーの事例を呉地正行さんがまとめました

 それ以上に、韓国で拡大しています
それは韓国の農協が熱心に取り組まれているからです。農協は金融だけで、物品販売に一切関わっていないことが強みで、自然再生と言うこと、エコツーリズムであること、そして収益性からみて、これを農家の皆様に推進していることが
大きな理由の一つとのことの理由は消費者の声、そして高値で売れる事、なによりもロマンがあって、農家の方々が自然に楽しく仕事が出来ることだとのことです

印旛沼再生には、マズ誰もが必要なロマンを(3)

2005-08-16 21:38:07 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0739] 2004年12月2日
宮城県は日本1位の湿地→干拓地化を達成。
でも伊豆沼にまでも蕪栗沼では雁・鴨・白鳥は、100,000羽近く大陸より飛来して越冬中です。
 日本だけでなく世界中から、多様な方々が見学に訪問して、いま田尻町はエコツーリズムや自然再生、
環境創造に関する会議、創造的な農業再生の会議等目白押しです。
 早朝の50,000羽の雁のの塒立ちの光景などすばらしい。
茨城県や千葉県でもロマンが描けないはずがありません。
30年?50年として大陸からの渡り鳥の受け皿として。印旛沼及びその周辺域を夢見ています

印旛沼再生へのステップ(2)

2005-08-16 21:36:36 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0738] 2004年12月2日 掲載
 印旛沼周辺の田んぼは完全な乾田化によって、アフリカの本物の砂漠よりも乾燥した砂漠化ですから、冬の期間、ここは生態的にはゼロになってしまっています。
 稲刈り後の秋に田んぼの耕起(田んぼの土をひっくりかえす)を行い、春まで天日の露出させ、乾燥させ、土に酸素を触れさせて酸化された土に、田植え時期に、農薬と肥料を一気に投入してしろかき(かき混ぜ)を行った場合、酸化した土の場合では、冬期湛水水田によって還元状態の田んぼと対比して、しろかき水に窒素燐酸カリや農薬が圧倒的に溶け出してしまい、それが濁水として印旛沼の汚染を引き起こしているという意見があります。
  単純に考えますと、春の水位上昇は、周辺の乾田化した田んぼへの田植えでの給水が原因。本来、春は1年中で最も水位が下がって、干潟や浅瀬が出来て、1年性草本が一斉に芽吹くとき。それを発芽出来ないような深水。ここから始まって、底泥に日が差さず、栄養が行き渡らなければ沈水植物や葦、アサザ等が発芽も出来ず、餌がなければドミノ現象で生態系の崩壊を引き起こしている。
 農法を改善して、春にかっての自然状態までに、水位を低下させれば、沈水植物も発芽し、生態系が正常に復活して、たちまち水質も改善される方向へ変わるのではないかと思っています。お金をかけなくても、条件さえ整えれば、案外単純に自然再生は変わりそうです。それは田んぼの生き物調査を全国で行ってきた経験から、言える事と思います。

印旛沼の水質改善の特効薬になるという意見(1)

2005-08-16 21:34:39 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
2004年12月2日 22:27[satochiba:0737]掲載
 印旛沼の水位を、春の1年生草本の芽生えに合わせて、かっての自然湖の水位に水面を下げる
 印旛沼の自然再生には、最も重要な要素と思います。
自然界では春の1年生草本(藻や底棲植物)の発芽時期に、その生息環境が干潟であったり、極めた浅い水面となって日が良く当たれば発芽出来ます。そして夏に向かって水面をあげていく方法の採用が自然に添った考えだと思います。

 現実は、印旛沼の利水の相当部分が、春の田植えのために周辺の乾田化した田んぼに流す為に、大量に水を貯水します。乾田化が進むほどますます大量の農業用水を要求し、それがさらに湖沼の汚濁を招いているのではないかと思われます。
 その対策として、冬期湛水水田化や休耕田の溜池化→湿地化による通年田んぼでの循環型湛水や、春に早期(1ヶ月以上)に湛水することで、結果として印旛沼の水面を下げる事がかなり可能ではないでしょうか。