文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

印旛沼の学習(8)印旛沼での利水権利をどの様に考えるか 

2005-08-17 23:56:03 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0857] 2005年1月26日 0:05
 印旛沼の学習(8)印旛沼での利水権利をどの様に考えるか 
GDPの理論から考えると、 湿地や干潟は、それ自体貨幣価値を生まないとされてきています。当たり前なことです。
国民総生産(GDP)では、湿地や干潟の持つ価値感を金銭的な評価で表現する方法が見いだされていないがために、価値がない物とされました。
それに付加価値を付けようと言う考え方が広がってとも考えられます。実際、茨城県も、千葉県も90%近くの湿地を干拓して農地や工業団地化してきました。
僅か残った10%しか残らなかった湿地、大きな湖沼である霞ヶ浦、印旛沼、などを、さらにダム化して、利水(農業用水、工業用水、飲用水)化して所得を産み出す仕組みに、いつの間にか、なってまっているわけです。
今日、貯水した水はそれが1トンなんぼで売れると計算されると聞いています。
 従って今、自然再生や水質浄化のために、印旛沼での貯水を減らしてもらいたいという要望は、水を原材料素材として考える立場から言えば、とんでもない行為と写るのかも知れません。



印旛沼の学習(7)国民総生産(GDP)からの計算方法

2005-08-17 23:53:45 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0856] 2005年1月26日 0:05
 印旛沼の学習(7)国民総生産(GDP)からの計算方法では、どの様な考え方が出来るのでしょうか。霞ヶ浦や印旛沼でのこれからの水質浄化を考えると、いま、国民総生産(GDP)からの計算方法では、どの様な考え方が出来るのでしょうか。
 今日本を動かす、計算根拠の中でGDPは突出して、目立ちます。全ての価値を貨幣価値でとらえて数値化するという考え方ですが、分かりやすく、廣く国民の理解をも得られています。
しかし、明らかにおかしな結果を招くことにもなります。今、壊滅的な日本の森林の木材。国土の2/3が森林の国が日本です。50年物の杉が1本150円以下です。しかも木材市場に持ち込まれてです。すでに、千葉県での茨城県でも、森林の木材は、殆ど1銭の金も生めない状態です。
 コンビニエンスの取引先大手で、女性がおにぎり(150円)を握ると、1日200ヶは作れます。最終売上げでは、1日30,000.円 1年で200日稼働でも600万円、50年で3億円の売上げ貢献となります。これは木材と比較して、150円と3億円との単純な比較となりますと、200万分の1となって、かっての評価では、投資などまるで対象外です。
それが森林不振を招いている現状の一端です。
 大手がおにぎりを作ると、配達する会社、コンビニエンス、袋紙製造会社などを介して、ありとあらゆる方々の所得に配分されて付加価値が上がる、さらにおかしなことに中小企業の会社が作ると、GDPへの貢献度が低いから評価が低く、家庭の主婦がおにぎりを、家庭でにぎって、お弁当にすることは、さらにCDP上大変困るという、変な理論になってしまっています。
でも、考えてみたら、コンビニエンスの仕組みから見てみると、お金を使って始めてGDPを介して社会に貢献しているのだという、周辺すべてこの理論で動いていませんか。 あらゆるとは、あらゆるところから所得が取れ、税金の対象とされるという意味です。

印旛沼の学習(6)たった30年、40年前の資料が廃棄

2005-08-17 23:47:09 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0851] 05年1月24日 14:28
印旛沼の学習(6) たった30年、40年前の資料が廃棄されて入手出来ません
30年、40年前の資料が廃棄されて入手出来ません。いま、私どもが、かって霞ヶ浦や印旛沼には、これらの潜水ガモがどれだけ生息していたのかの客観的な情報収集に苦労しています。
かろうじて、印旛沼でも30年前のデータが一部収集できました。これも行政からの調査依頼で集めた情報ですが、報告書自体が、処分対処になっていて、すでに実際廃棄されてしまっている状態でした。かろうじてその一部分を発見していただき、コピーを取らせて頂きました。かっての資料がどこにも見いだせない状態と言う事は心労となります。
かっての印旛沼がどの様な状態であったのかを、詳細に知ろうとすると大変な事なのだと言うことを、思い切り知らされています。



印旛沼の学習 (5)田んぼのなぞり詩です

2005-08-17 23:42:19 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0850] 05年1月24日 14:28
田んぼのなぞり歌、でも霞ヶ浦でも、印旛沼でも共通でしょうか?
 かなりの真実がこめられた詩です

田んぼのイトミミズが増えると鳥が増える!!
(宮城県在住 高奥満さんの詩(若干手を加えています))
田んぼに水を張る → イトミミズが増える(トロトロ層が出来る=雑草が減る(除草))→田んぼの表面に酸化層が出来る→土中のリン酸が水中に溶け出す→ランソウ類が増える→ミジンコ、オタマジャクシが増える→カエルが増える→(害虫を食べるので害虫が減る=防虫)→田んぼがオタマジャクシ、イトミミズ、カエル、タニシ、ドジョウどが増える。 →それを餌とする、水辺の鳥のサギやバンや、シギが
増える、→ 空にはユスリカの蚊柱にツバメがすいすいと泳ぐ。→梅雨の晴れ間の朝赤とんぼの群れが大発生する → 稲刈りをして収穫祭り、そしてことしも田んぼに水を張る → 雁や白鳥が増える。


印旛沼の学習(4)潜水ガモは底泥の掃除やさんだと思います

2005-08-17 23:39:47 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0849] 2005年1月24日 14:07
潜水ガモは底泥の掃除やさんだと思います(しかもロボットのような)
 潜水ガモの役割とは、ロボットのごとく、24時間働く泥底掃除やさんでした。
その一つ、潜水鴨と、シジミやホトトギス貝の関係では、これら2枚貝は冬の期間は殆ど休眠状態です。それを貝殻ごと砂嚢でくだいて湖外に運び出してくれる掃除やさんが存在しなければ、湖底は自然死した貝殻だらけになってしまいます。
 同時に、湖底に流入した土砂をイトミミズが24時間体勢でせっせと砕いて糞と一緒に排出してもらえなければ、泥底は流入する小石や木ぎれ等で、砂利の山となってしまいます。
 ここの仕組みを、概念ではなく、観察によって、その意義を知り、その生き物たちを殺されないようにするために、やおよろずの神としてたてまつり、神が宿っていると言った先人達はすごいと感じるわけです。
シジミは、たった1ヶで100万個単位の卵を排出し、その幼生が生きるための空間を、潜水鴨達が作りあげてくれた理想的な生育環境が準備されているわけで、あっという間に生息数は春から秋にかけて回復してしまいます。
 地球は万物の共生の場。やおよろずの神の力
私ども、日本人の先祖達は、江戸時代までに生き物との共生関係を最大限に生かした生き方を確立出来た希有な国です。今の日本は先祖の確立したその共生社会を解体しながら、かっての共生によって蓄えられた、成果物を消費しながら現在に至ったと考えられませんか。この世界の名称は、やおろずの神宿る国と称していました。数百万年単位で現在まで営々と築かれてきた日本の湖沼、山岳、海岸も、
その全てにわたってやおよろずの神の差配のもと、日本人は巧みな、先人達の知恵によって、生き物との共生により維持管理されてきたとも考えられるからです。

印旛沼の学習(3) 飲用水を供給する3大湖沼

2005-08-17 23:36:33 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0848] 2005年1月24日 14:22
 飲用水を供給する3大湖沼 飲用水を供給する3大湖沼とは、琵琶湖と霞ヶ浦・印旛沼を潜水ガモの個体数で変異を比較する日本の大きな湖沼で、霞ヶ浦・印旛沼は、農業用水・工業用水・飲用水の3つで利水されています。滋賀県の琵琶湖も飲用水として利水されその3大湖沼となっております。いずれも底泥の状態の悪化が一目です。
印旛沼では、千葉県自然保護課が委託して調査したデータで、キンクロハジロは1975年西部で1722羽、北部6590羽(それぞれ最大値)
が1993年合計330羽→2003年0となりました。(2)ホシハジロで言えば、1975年の最大値が西部4390羽、北部1100羽→1993年合計で160羽→2003年合計で2羽と壊滅しました。
霞ヶ浦の潜水鴨の個体数ですが、
(1)キンクロハジロの,2003年1月調査では、1993年3495羽→35羽に、
(2)ホシハジロ1990年,4400羽→46羽です。
同じ飲用水の水源である滋賀県琵琶湖では、
(1)キンクロハジロが1993年6149羽→2003年度5618羽、(2)ホシハジロが1993年6852羽→2003年6041羽で、殆ど変化がありません。
(参考)大型動物性プランクトンを捕食する(3)ハシビロガモは霞ヶ浦では、1990年まで2000羽前後、1990年突然11,000羽となり,1995年まで5000羽前後。現在は1500羽程度で安定しています。印旛沼では100羽前後で、少数です。
琵琶湖では(3)は500羽が最大値です。 これも増減ありません。
 これらが何を表現しているのかの慎重な検討が必要ですが、客観的な生物指標として、最もリアルに表現される使える内容だと、考え出しています。
印旛沼でも推定ですが、キンクロハジロが30年前8,000羽→15年前300羽→現状0羽になってしまっています。霞ヶ浦のキンクロハジロ(1,000分の1)も、ホシハジロ30年前6,500羽→15年前160羽→現状2羽も、その鴨の関東地方特有の個体群(霞ヶ浦、印旛沼、手賀沼でも)が、共通の現象によって壊滅したと言うことです。 これをどの様に解釈し、再生に向かって対処し、
これからの自然再生に反映すべきなのかが課題なのです。
①環境省生物多様センター「ガンカモの全国調査データ」より)。現状は、山階鳥類研究所の岡主任研究員による、手賀沼での調査でもほぼ同じ経過が出ています。

印旛沼の学習(2)「昔は印旛沼が真っ黒になるくらい鴨がいたんだよなあ……」

2005-08-17 23:32:29 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0847] 掲載 2005年1月24日 14:07
印旛沼で地域の方々が「昔は印旛沼が真っ黒になるくらい鴨がいたんだよな……」その意味がわかりました
 環境省がこのほどまとめた、「湖沼環境保全制度の在り方」にて、湖沼の水環境に関して以下定義しています。「湖沼は、特に水が滞留するという閉鎖的な水理特性から、流入した汚濁物質が蓄積しやすく、水質の汚濁が進みやすい上に、いったん水質が汚濁すると、その改善は容易ではない。これに加え、湖沼地域での開発や人口の増加等、社会・経済的な構造の変化によって汚濁負荷が増加し、水質やそれに密接に関連した湖沼の水環境が損なわれてきている。」
 これを読んでいて、たしかに沿岸域や河川域は、数年に一度は台風や大雨等により攪乱されて、沿岸や川床がきれいに洗われると言うことは分かりますが印旛沼や霞ヶ浦、手賀沼等の湖沼では、かって、40年以上前は、どの様な仕組みがあって、汚濁のない、すんだ水と多様な生き物をぐくめたのか疑問を感じました。
 そこで、ひとつ気がついたこととして、 2枚貝のシジミや、 底植物や浮揚植物が、大量の富栄養分を、自分の体に蓄積してくれていることは分かっています。秋に印旛沼等で渡り鳥として、渡来越冬し春に北帰する、潜水鴨類等の果たす、態学的な役割を資料から読み直してみました。
 その結果、例えば、島根県の宍道湖には、30,000羽を超す、キンクロハジロとホシハジロが生息しています。山階鳥研の岡主任研究員の「ハジロ属の採食行動と食性を中心とする生態」という論文から、1羽のキンクロハジロ(体重1kg前後)が,1日に食するシジミは優に3.2kg(体重の3倍以上)、秋に渡り鳥として貧栄養状態で渡来し、春に富栄養で北帰します。
 泥底10cm以内のシジミの80%以上が捕食されるそうです。泥底をシャベル状の嘴で梳くようにシジミを浮き上がらせ、そのまま飲み込みます。少し食べては胃の砂嚢でバラバラに壊し消化。実は24時間、これの繰り返しです。
 ホシハジロは植物性で底泥の沈水植物及び柔らかいイトミミズやユスリカを飽食します。冬中かけてです。宍道湖には圧倒的な多数の潜水鴨が、琵琶湖にも、今でもたくさんいます。
 千葉県の三番瀬、葛西沖には同類で汽水に強いスズガモと、ホシハジロが10万羽単位で生存し、主にホトトギス貝を捕食しています。
いずれも秋から春までに、シジミもホトトギス貝も、沈水植物もあらかた餌となって湖沼の外部に搬出されているわけです。

 こうなりますと、春の泥底は前年のシジミや沈底植物の多くが餌として排除された後の、潜水鴨達が作りあげてくれた理想的な生育環境が準備されているわけで、その空いた空間を、春に幼生が(シジミは、たった1ヶで100万個単位の卵を排出)し、あっという間に埋め尽くして生息数は春から秋にかけて回復してしまいます。この、底泥に溜まる富栄養分を理想的な形で外に持ち出すという重要な役割を、潜水ガモが担っていたのではないでしょうか。
そうなると、印旛沼も霞ヶ浦も、手賀沼も、40年前-30年前までは、水面が真っ黒になるほどいた、これら最も大事な自然の働き者を、結果として追放してしまいました。
2枚貝のシジミや沈底植物を食して外部へ排出する潜水ガモの機能も、広い印旛沼、総排出量としてどれくらい貢献しているのかを問われれば、全体から見ればウエイトが小さいかも知れません。
でも重要な要素の一つと考えます。これ以外にも多様な生き物による営みで総和で貢献していることが多いと思われるからです。

印旛沼学習(1)印旛沼周辺での白鳥群の渡来と越冬(04-05冬期間)

2005-08-17 23:03:11 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0846] メーリング掲載2005年1月24日 13:16
千葉県印旛郡本埜村へ大群で渡来する白鳥群は、ことしは800羽前後に達しています。1昨年度も830羽を超していますので、それに迫る個体数です。この時は大寒波で、1月中旬に300羽も急増した経過があります。1昨年の基礎渡来数は530羽程度と考えられ、それに300羽が+されました。昨年は650羽前後でした。
 今年は、1月に一気に寒波到来で急増しましたが、その後天候回復と宮城県や福島県での雪が殆ど溶けてしまったとの情報ですので、これ以上の南下は見込めないと思います。
 種類はオオハクチョウは僅かで(20羽程度)、コハクチョウが殆どです。でも亜種が異なるアメリカコハクチョウが2羽、疑わしい幼鳥などが10羽以上混じっているそうです。
 今年は、本埜村周辺では、雨続きで田んぼが湿気ており、2番穂もたくさん田んぼにありますので、いままでは自然採餌に問題はありませんでした。
周辺の田んぼも、これから「砂漠田んぼ」の景観を呈する状態になる気配です

 栄町の新海さんの田んぼにも、1月半ばから20羽程度が昼間飛来してています。
北印旛沼の本埜村の岸辺に毎日30羽が移動して採餌しているとのことです。全く別の群としてに、白井市西白井の団地の遊水池に、オオハクチョウが6羽、コハクチョウが12羽定着しています。今年コハクチョウの1家族が加わった数値とのことです。
 凄いのは、越冬渡来する白鳥群で冬の期間死亡する個体がありません。幼鳥も渡来した1才の幼鳥の殆どが生存し、翌年には渡来している模様です。
ですから、幼鳥の数だけ翌年の渡来基礎数が増えるという状況と判断も可能です。
 また、コハクチョウの自然状態での寿命は10年、餌付け個体では18年以上と言うことで、本埜村の白鳥群の平均年齢は若く、まだ当分老鳥になっての、自然・事故死も発生しにくい状況と判断されます。
 白鳥群での事故は、高圧電線への接触事故ですが、本埜村の越冬地はその危険性がありません。これから、印旛郡で順次増える白鳥群の越冬地形成が大切です。
ふゆ・みず・たんぼ(冬期湛水水田)と白鳥はセットみたいなもので、景観保全上からも、白鳥の存在は大変大きいと思っています