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印旛沼学習(9)田んぼの乾田化、新たな角度から分析

2005-08-18 00:00:38 | 水質浄化:千葉県印旛沼及び周辺域
[satochiba:0858] 2005年1月26日 0:05
田んぼの乾田化、新たな角度からの分析。 
印旛沼周辺でも、田んぼの乾田化の施策が、結果として春の田植の時期に莫大な水需要を創出してしまいました。
ここの分析と理解が、これからの印旛沼再生、水質管理、そして生態系 回復の原点だと考えています。
 日本で最も普遍的な稲作の農法として、慣行農法があり、その基本は、稲刈り後の田んぼの乾田化にあります。いま、日本で最も成功したと評価され、圧倒的な農家の指示を得ている事も確かです。
 実際、良い農法だと考えています。しかし在来農法でもあった、湿田で の農法(冬期湛水水田等を含む)も再度の見直しと、ご導入をお願い している次第です。この乾田化農法の原点は、もともと日本海側、特に新潟県下の、どうしょうもない湿地を乾田化してみて、大成功を納めた仕組みと聞いています。
 それを真似て、太平洋側に於いても乾田化を推し進める施策となってきたわけでしょう。
 これには、基本的な勘違いが一つあったと思います。当初、日本海側で成功した乾田化とは、用水は素堀であり、乾田化しても雪が降るので、田んぼは春まで湿気ったまま、更に1毛作ですから、秋に耕起されない等、結果として生態系保全には十分な配慮がされた農法として、定着してきています。
 しかも、春の田植え時に必要な水は、日本海側ですから折からの雪解けで河川の水量は豊富です。
 太平洋岸は、霞ヶ浦周辺でも、冬の期間筑波おろしのからっかぜが吹き、雨が著しく少なく、田んぼも乾燥化が進みます。千葉県や茨城県では、かっては水郷地帯でした。天然の溜池があって、春の水を湖沼にたよるような事も少なかったと聞いています。それを90%近くも、湿地を干拓してつぶし、溜池を壊し、乾田化したわけですから、当然水資源上、春の田植え時に大量に必要な水確保が緊急課題となってしまったわけです。そこで、残った10%の湿地。霞ヶ浦や印旛沼、手賀沼等湖沼の水ガメ化が計られ、農業用水の目的の湖沼のダム化の大きな引き金となってしまったと考えられます。
 運用上では、その田植え用の用水確保をするために、雨が少ない冬中をかけて水をため続け、田植え時に水面が最も高くなってしまう弊害を招いてしまいました。このために、印旛沼でも、霞ヶ浦でも、水位が年間を通じて最も高くなり、あまりの深水に、春に1年生草本が発芽出来ないという事態へとつながっています。
 本来の自然のリズムでは、印旛沼でも霞ヶ浦でも、雨が少なく乾燥しきった春先は、干潟が露出し、大きく浅瀬が出来るために、沈底、浮揚植物である水草が一斉に芽吹き、夏に向かって雨が降って水位が上がっていく、その自然のリズムが壊れてしまっています。
 それだけでなく、霞ヶ浦や印旛沼のダム化には、さらに利水として工業用水、飲用水とが重なって3重に使われることが生じてしまったと考えるのが、最も自然な成り行きだと考えられています。