田切通信

旅行に写真に究極超人あ~るに飯田線田切駅

2014冬の田切大掃除03

2014-01-13 09:28:00 | 飯田線の旅
 きわめて閑散とした辰野駅前に立ち周囲を見渡すと、立派な作りの古民家風の建物にのれんが掛かっており、どうやら食事がとれるようだ。近寄ってよく見ると「割烹旅館みのわ屋」とあり、昼は食堂としても営業をしているらしい。しかし実に堂々とした日本家屋だし、何より「割烹旅館」である。僕等のような典型的な庶民には敷居が高い。かといって他に開いている店もなく、次の列車までの時間もそうそうないので意を決して入ることにする。
 まるで営業している気配がない・・他に客がいないのだ・・入り口で声をかけると、多分店の主人とおぼしき人物が現れて「営業している」と言う。その人物というのがこれまたただ者ではない風情で緊張感が走る。どのような風情かはあえて書かないので、是非実際に訪れて欲しい。


 辰野の駅前と言うこともあり、辰野観光協会推進の「ほたる丼」があると期待していたのだが、どうやらソースカツ丼が一押しのようで、「ほたるランチ」はメニューに載っているが「ほたる丼」はない。一癖ありげな主人に伺うと「辰野はほたる丼を名物として宣伝してるが観光協会がやる気がないのか統制がとれていなくて、結局うちは独自に工夫したほたるランチを提供している」のだそうだ。話をすると見た目とは真逆に話し好きで気さくな好人物だ。10年前に脱サラしてこの旅館に入ったのだそうだ。


 これがほたるランチ。左上が「ほたる」に当たる部分で、左端の赤い方がほたるの頭で右端が光を表現した半熟卵。胴体に当たる緑の水菜の下はすき焼きの様な味付けのお肉や野菜だ。味自体はつまりすき焼きかつゆだく牛丼の具のようで、普通においしかった。
 右上の小鉢はゴボウの煮物、手前が左からご飯、漬け物、味噌汁である。特に驚いたのは手前中央の漬け物だった。これも一見無頼な店の主人が自らつけた物だそうだ。信州と言えば野沢菜だが、最近市販されているのは低塩とか減塩で漬け物としては塩味が物足りないし漬かりが甘い。しかしこれは塩分も申し分なくしっかり漬かっていて、少し古漬けで乳酸発酵による酸味もあり実においしかった。さらにその横にある白いのは大根の漬け物だが、ほんのりカレー風味だ。それも鼻につくようなカレーむき出しではなく、気がつかない人はなんの風味かわからないであろう程度の味付けだ。これが実にしみじみと美味しかった!
 写真の他、食後にはその都度ドリップするというコーヒーが出された。
 辰野の駅前で交通の便はいいし、建物は大正期から営業しているという堂々とした古民家建築だ。しかもこのうまい漬け物をつける一見無頼な主人!是非一度泊まってみたい。


 食後に辰野駅の戻り飯田行きの列車に飛び乗る。目的地は駒ヶ根。今夜の宿が駒ヶ根なのだ。
 駒ヶ根駅のホーム。辰野ほどではないがここも人気はない。かつてホームにあったスタンプや南極の石は今はない。


 改札口の駅員が入る部分(正式名称はなんと言うのだろう?)には蓋がされて、無人駅でお馴染みの切符回収箱が設置されている。駒ヶ根は有人駅というかこの近辺の駅の管理をしており大勢のJR職員がいたのに、それが今や無人駅だ。これが時代の流れというものか。


 改札を向けて待合に出ると観光協会の案内所も、キオスクも、駅そば屋も、喫茶店(ここでソースかつ弁当\480を売っていたのだ)もなくなっている。僕はこれらがすべて営業していた時代を知っているが、駅がこのように寂しい状態は来訪する観光客にとって実に印象が良くない。


 今回新たに、切符自販機があった壁面に「駒ヶ根市市民サービスコーナー」が作られていた。住民票などの発行サービスをするのが主業務だが、観光案内のパンフレットも置いてあるから簡易な観光案内所としても機能するようだ。これはなかなか好感が持てる。
 しかし、切符の自販機がなくなったのにはびっくり。
 

2014冬の田切大掃除02

2014-01-11 08:24:00 | 飯田線の旅
 前回の記事に間違いがありました。八王子で乗り換えたのは松本行きではなく甲府止まり。甲府で松本行き普通電車に乗り換えた訳ですが、八王子からの列車は6両、甲府で待っていたのは3両!長さが半分!!甲府で降りてしまう乗客も多いので混雑するって事はないけど・・。こいつがあとでボディブローのようにじわじわ効いてくる。
 まだ正月の松の内で、列車が諏訪エリアにさしかかると、上諏訪~岡谷間では諏訪大社への初詣客がホームにひしめき合っていたそここへ3両編成でそこそこ客が乗っている列車が来たものだから車内は都会の通勤ラッシュみたいになった。

 岡谷駅を出るときは曇り空とはいえ何も降っていなかったが、塩嶺トンネルを抜けたとたん細かな雪が横殴りに降っていた。山ひとつ超えて天候が変わったようだ。満員の列車は程なく塩尻に着いた。


 写真には写っていないけど、凄く細かな雪が降っているし、風も強くて寒い。ここで中央西線を北上してくる宇宙局長と合流するのだ。


 隣のホームに停まっている見覚えのない車体。これが中央本線の旧線経由で塩尻~辰野間のみを往復運動するローカル運用で、前回の冬に来たときはクモハ123の単行電車だった。ダイヤ改正で廃車になりこれに置き換わったのだ。

 少しして局長が合流した。この後の行程だけど、特に決めていない。さし当たっては「昼食」なので、どこで何を食べるか相談した結果、まだ食べていない「辰野のほたる丼」にした。つまり辰野に向け移動だ。


 たまたままだ停まっていた旧線経由のローカルに乗ることにした。車内はこんな感じで片側がクロスシート、反対側はロングシート。置き換え前は単行(1両)だったが、これは2両編成で当社比2倍の空間容積!でも乗ってる人はほとんどいない。


 小野駅。無人駅だが大きな駅舎がある。


 信濃川島駅。ここも無人駅で、田切のように築堤上にホームがある。周囲に何もない。
中央本線がここを通っていたときはどのような賑わいだったのだろう。


 途中にあるのは2駅。乗車時間は短くすぐに辰野に着いた。辰野の駅舎。現在はこの大きな建物には駅しか入っていない。かつては駅ビルで僕が知っている範囲(20数年前)でも、喫茶店、駅そば、レンタルビデオ屋、キオスク、そして理髪店(これに関しては記憶があいまいだが)がテナントとして入っていた。それが少しずつ撤退し、最後にキオスクがなくなって今の状態になった。駅の周囲に人影もなく、駅が大きい分だけ余計に侘しい。


 それでも駅玄関には正月飾りが。これを見る人も少ないだろう。


 駅前にある食堂と思われる店。看板に「チャーローメン」と書いてあるので伊那市のうしお系のローメンを出すのだろう。でもやってない。

 この辰野で「ほたる丼」を食べる予定だが、駅には観光案内もないし、案内図もない。本当に辰野町あげての観光振興対策メニューなのだろうか。普通は観光客の目を引くためにのぼりが目立つように目印にたっているものだがそれもない。事前にネットから落としておいた観光協会作成のほたる丼加盟店マップは大雑把過ぎて駅で降りた観光客には使い物にならない。予定は特にないが、だからと言って昼食時間を大幅に遅らせるのもいやなので駅のそばで開いている店を探すと・・


2014冬の田切大掃除01

2014-01-08 21:25:00 | 飯田線の旅
 1月最初の週末4~5日の2日間の行程で旅に出た。田切駅冬の大掃除の旅だ。
次の週の11~13日は3連休で、こっちの方が余裕がある行程が組めるのだが、青春18切符の通用期間から外れてしまうのでこの日取りとなった
 田切の掃除に行く場合に通常は金曜の夜遅くに夜行列車で出かけるのだが、今回は夜慌ただしいのもいやなので、土曜の朝からのんびりと出かけることにした。詳細な行程の計画もなく、ひたすら行き当たりばったりだ。最初の目的地は出だしが別行動の宇宙局長と合流する塩尻駅。そこで八王子から中央線に乗る。


 八王子駅にて。貨物列車を引っ張るディーゼル機関車をバックに記念撮影。


 まず始めに高尾に向かう。未だに僕のイメージでは中央線は全体にオレンジ色なのだが、実際に走っているのはこいつ。乗り心地はいいけど時の流れを感じる。


 高尾で中央本線の各停に乗り換え。お馴染みのこの車体もいずれ近いうちに置き換わるだろうなぁ。


 これも記念写真撮っておこーっと。


 僕らの乗る列車はこの塗色の松本行き。高尾駅の待避線にいたのが、一度甲府方面に動いてからバックで入線してくる。


 車内にて指定席に腰を据えて寛ぐ。
スケジュールに縛られないだらだら旅の始まりなのだ。この先の行程は天気次第、気分次第。

新年明けましておめでとうございます

2014-01-05 19:34:00 | 飯田線の旅
 しばらくお休みしていましたがあらためまして、
新年明けましておめでとうございます。1月が明けて最初の週末4~5日で田切駅の大掃除に出かけてきました。次回以降その旅行記を紹介します。


 1月5日朝の田切駅。今年は雪はなく天気がよかった。

 今年もよろしくお願いします。