腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



昨日、小学校の3年生か4年生くらいの可愛らしい女の子が来店した。

女の子「すみません、この電池ありますか?」

手にはチャック付きビニールの小袋が握られていて、中に電池とSR626SWと書かれた紙きれが入っていた。

店主「ありますよ。1個でいいの?」

女の子「はい」

店主「525円だけど、いいですか?」

女の子「はい」

女の子は1000円札を取り出した。

店主「はい、これ電池。1000円お預かりで、お返しが475円です」

女の子「ありがとうございました」

店主「ありがとー」



で、小一時間ほど経っただろうか、その女の子が顔を紅潮させて戻ってきた。

はは~ん、電池の種類が違ったのか?
年配のお客さんも間違って買って帰ることが稀にあるし。

店主「はい、どうしたの?」

女の子「あ...あの、さっきのお釣り...50円足りないの...」


!!!

げげげ!


店主「あれっ!  ごめんね! はい、50円。ごめんなさいね!」

自分のオデコをピシャっと叩いて50円を手渡した。

ありゃりゃ、悪いことしたなぁ...

家に帰ってからお母さんに怒られたのかなぁ...




で、それから15分~20分くらい経った頃、三度その子が先ほどよりも更に顔を紅潮させて小走りにやってきた。

ん?
今度は何だ?




女の子「50円...ありました!」

ややハニカミながら50円を返してくれた(笑)

店主「あらら、わざわざありがとう」


何とも微笑ましい。



では、修理品のご紹介。
こちら↓
 カルティエ パシャ Ref.2324 自動巻き

東大阪市在住のN様所有。
分解掃除、テンプ調整、パッキン交換、防水検査を行いました。

1930年代、マラケシュのパシャ(太守)、エル・ジャヴィ公がルイ・カルティエに「自分の屋敷のプールで泳いでいるときに着けていられる腕時計はないものか」との依頼に応える形で製作されたのが角型防水時計の「タンク エタンシュ」です。
これが「パシャ」のルーツであるといわれ、その後1943年に風防ガラスを保護するグリッドとリューズプロテクターを装備したラウンド型の時計を発表しました。
これが現在のパシャの原型となっています。

N様大事にお使いくださいませ。



50円はお駄賃にあげたらよかったと思った腕時計修理専門店トゥールビヨン店主

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