今回の青木繁展は大好きなブリジストン美術館ということで当然に訪問した訳ですが、その直前お邪魔した大倉集古館で、青木繁の一粒種である尺八演奏家の福田蘭堂さんと亡祖父との関係を思い起こす展示があり、何となく奇遇、という気持ちを持ちつつ拝見しました。
直前のBS4chでも”俺様、青木”という説明を見ていましたので、ややバイアス掛かりながらも、の鑑賞です。
結論から言うと、小品が多いこともあって、玉石混交という感が拭い去れませんでした。
特に商売ということで描いたであろう幾つかの肖像画とか、ちょいと描き殴ったような風景画とか、正直首を傾げるものも…?
気に入ったのは全部人物中心で、青木が付き合っていた、そして福田蘭堂を生んだたねさんがモデルの2品。
そして、何より、彼女も登場していると考えられる「海の幸」でした。
技巧的には「わだつみのいろこの宮」。青木が賞受賞を狙って渾身の力を込めた、と言われる作品の2人の女性が来ている服、下半身部分の表現に素晴らしいものを見ました。
うまいですねえ…
ああ、その他に2点。
外房中心の海の絵は点描画的で面白かったです。そして、幾つかの作品、遺作も含め、には明らかな印象派のテクニックが見られ、ヴラマンク風だと思いました。
実際にはヴラマンクと青木は殆ど同時代ですね。
といった今回の企画展の入場料は1,000円。これが無料となって、ぐるっとパス効果は計5,770円となりました。