<川は流れる>

Reiの好きなこと、ここだけの話

「息もできない」

2013年05月28日 |  映画
2008年 韓国映画

またもや、韓国映画の傑作発見。
ヤン・イクチュン脚本・監督・主演

主人公キム・サンフンは借金取り立て業、暴力を使いお金を集金する仕事。
彼にぴったりの仕事。
彼は人としゃべる時は罵倒の言葉しか出てこない。すぐにキレて手を出す暴力男。
この仕事以外何ができるっていうの?
という男。

その男が高校生の女子ヨニと道ですれ違い、
彼が吐いた唾が彼女の制服のネクタイについてしまう。
一見して怖い仕事の男とわかるのに彼女は臆しない。
「どうにかしろ」とくってかかる。

そして彼に殴られてしまう・・。

そんな出会いだったのに、妙に惹かれあう二人。
二人には共通の苦しみがあったが、
傷を背負い生きているのを隠していた。

二人とも口を開けば「クソアマ」とか罵倒しあうのに
本当は家族を想い、涙を隠しやっとの思いで暮らしていた。
貧しさと暴力と、ただそれだけで日常を送っているのに
運命に翻弄されながらも、
家族を愛し続けた二人。
そして心の深いところで共感しあい、二人の時だけは泣くことができた。


最後は涙なくしては見れません。
素晴らしい映画だと思うのと同時に
愛とはこういうものだと教えられた気がします。


家庭内のDVが子供にどういう影響を与えるのか、
暴力の連鎖がどれほど悲しいか、
この映画は訴えかけてきます。

低予算で作られたインディーズ映画だけど
封切りされて大絶賛をあび、国際的な映画賞をいくつもとっています。
暴力が嫌いなあなたもぜひご覧あれ。
暴力に頼って生きている人たちにも悲しい運命があることを知ってほしい。
暴力絶対反対!、罰せられるものだけど、
暴力をふるっている人間の苦しみが伝わってくる映画です。



にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする