さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

日本の歴史教科書と戦争

2022-03-01 | 歴史



こんにちは

小野派一刀流免許皆伝小平次です

中学校の歴史教科書のシェア、50%以上を誇る出版社

『東京書籍出版』

の歴史教科書を見てみます

以前も、小平次はこの教科書について触れていたのですが、引用箇所が殆ど丸々になってしまい、著作権の問題から止めていたんです

ふと、そのころ、他のブロガーさんがやはりこの教科書を取り上げていた記事を思い出し、探したんですが見つからず、改めて娘が中学生の頃(7年前)に使っていたのを引っ張り出し、その記事にあった内容を実際にみてみました

で、ここ30年程の間、日本の歴史教科書界は、その記述を巡って様々な論争、対立があり、現在も続いています

そもそも歴史は、一つの史実に対し、向き合う人の見方や立場で大きく解釈が異なるものですので、本来教科書の執筆者はできる限り自身の思想信条などは排除し、また、日本の子供たちのための教育、ということを意識すべきですが、どうも歴史教科書のシェアの半分を占めるほどのこの出版社の教科書の記述を見ますと、かなり偏向しているように見えてなりません

以前、紹介されていたものの一例を示します



101ページからの引用になります(これは平成25年度版で、10年近くが経っていますが、新版も記述内容にそう変化はありません)

豊臣秀吉の朝鮮出兵の記述ですが、まあ、ウソが書いてある、とまでは言いませんが、随分と一方的な解釈だなあと思いますし、小平次的には突っ込みどころも多々ありますが、それは別の稿に譲ります

注目したいのは、本文の中ほど、朝鮮の将軍『李舜臣(イ・スンシン)』について触れています

李舜臣は、実際日本でもそれなりに評価の高い将軍で、この時日本軍が苦戦を強いられたのは事実ですし、教科書として載せること自体に問題があるとは思いませんが、豊臣秀吉の大陸進出の本来の目的の論考などは無いにもかかわらず、外国の英雄である李舜臣については、欄外にもその銅像や亀甲船の写真などを載せ、詳しく紹介し、一体日本の子供たちに何を教えたいのか意味不明です

それでも、百歩譲り、それも已む無しとしても、例えば165ページ、日露戦争の記述



日露戦争における日本海海戦、まさに歴史的な勝利であり、世界中に大変な衝撃を与えた大勝利でした

それまでロシアの膨張に悩まされていたトルコや北欧諸国は歓喜し、白人に虐げられていた有色人種にも勇気を与えたその決戦を指揮した東郷平八郎、と言えば、もはや日本のみならず世界的な英雄でもありますが、教科書にはその肖像も無く、紹介も教科書本文ではなく、欄外の扱いです

李舜臣、英雄とは言っても、外国の英雄であり、当時の日本から見れば敵将でもあります、その敵将については本文と欄外を使い詳細に紹介しながら、日本が世界に誇る英雄は欄外…、一体どこの国の教科書なんでしょ?

こんな教科書ですから、あらためて別の機会にできればご紹介しますが、いわゆる第二次世界大戦時の日本の軍事行動についても、一方的に日本の侵略に対し、韓国を中心としたアジアの人々の抵抗などに主眼が置かれた記述になっています

先の戦争に対して、小平次が考える日本の立場は

『完全なる自衛のための戦争であり、その過程において、侵略的な側面が無かったとまでは言えないが、それまで白人キリスト教国の横暴に苦しんでいた国々の独立の一助となったのは事実、そしてその上で、君を頂点に戴く日本の国体は、敗戦国となりながらもかろうじて護り切った』

というものです

『日本が戦争に突入した理由』

は、日本の歴史を縄文時代まで遡り、その連続性と世界情勢を考えなければわかるはずもありません

今の一時点、過去の一時点、それだけを見て、戦争の責任、誰かを、どこかの国を、一方的に悪者にしたところで戦争の無い平和な世界なんか築けるはずもない、と常日頃、思っています

現に先の戦争において、無茶苦茶な裁判で日本を悪者にしましたが、その後戦争が無くなったりはしていません

今回のロシアの軍事行動、世界的にはロシアに対する批判が大半です

世界の嫌われ者扱いです

空爆などにより、民間人に死者が出ている、ようなことが事実であれば、ロシアが非難されるのもやむを得ない、とは思いますが、そもそもロシアがこのような行動に出た理由は何なのか

ロシアにはロシアの言い分は無いのか

NATO軍の駐留や、ウクライナのEU加盟に対し、ロシアが軍事的な脅威の排除に動いた、というロシア寄りの論調も見えますが、ごく一部です

小平次には、ソ連時代、いやその前からの欧州の国々とロシアとの関係性や、アメリカとの関係性、そういったことの歴史的な経緯をふまえ、NATO軍の駐留やウクライナのEU加盟などといったことは、ウクライナを利用した欧州の強国の利害と、大資本の傀儡にしか見えないバイデンアメリカの利害から来る挑発行動が誘因になっている、ように見え、その目的は憶測の域を出ませんが、見えている事実からだけでも、少なくともその側面は否定できない、と思っています

いずれにしても、過去、日本が戦争に突入した理由、今、ロシアが軍事行動を起こした理由、それを考えずして、先にご紹介した東京書籍出版社の歴史観や、今回のロシアの行動に対するような一方的な解釈は、誰かを悪者に仕立て上げるだけのものであり、それが本物の悪党が誰であるのか、どこにいるのか、を見誤らせ、それに群がる連中が普段どんなことを言い、何をしようとしているかについての思考を停止させるように思います

そして、その本物の悪党と戦おうとしている人達を、洗脳だか何だかわかりませんが、メディアなどが徹底的にたたき排除する、そんな世の中に見えています

さて、一方的な解釈しかしない教科書で学んだ子供たちは不幸です

幸い、あの教科書を使いながらも、娘の当時の担任の先生は、多角的に物を見る視点を教え、戦後の昭和天皇とマッカーサーの会談の内容まで話してくれたそうです

当時の中学生、それを聞いて

『昭和天皇、かっけー!』

と言っていたそうです

娘は、大学で西洋史を専攻し、社会科教師を目指していましたが、学べば学ぶほどイギリスの非道ぶりがわかり、解釈の違いを知りながら納得のできない教科書で教師になるのが嫌だと言い、音楽教師を目指し転科しました

意外かもしれませんが、小平次は娘に、聞かれない限りあまり歴史や社会の事は話しません、考えを押し付けたくないからです

そんな娘が転科試験に合格した時、小平次に言いました

『歴史上非道なことばかりしてきたイギリスと、ほとんどその逆だった日本との決定的な違いは、日本には天皇がいたことだと思う』

これを聞いた小平次は、中学から大学の先生方には感謝しかありません

ここに至った意味はとても深く、頑張って歴史を勉強したんだなぁ、とちょっと親バカぶりが出てしまいます


御免!
コメント (10)
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