古市さんの本。なぜか、無性に読みたくなったので。
YOUTUBEの講演を聞いて、話しぶりから信頼できそう、というのが読みたい理由か???
若者を理解するのは難しいが、この本を読んで、理解出来た気がする・・・。
一言感想:脚注でのツッコミが、おもしろすぎ。ダウンタウンの漫才レベル。
(1)ただ、「若者は希望だ」論は、時には暗黙の内に、若者を「都合のいい協力者」と見なして
いることがある。若者に、権利や具体的な恩恵やチャンスを与えずに、ただ「頑張れ」とだけ叫ぶのは
無責任以外の何物でもないと思う。まあ、皇軍兵士になった若者と違い、現代日本で起業をしても、
よほどのことがない限りは死なないだけマシだけど。(P36-P37)
若者の、この認識に対して、大人はどうすればいいのだろうか???手取り足取りしながら、十分に利益も与えながら
事業なりなんなりを引き継いでもらうしか、方法はないのだろうか???
(2)多くの若者は貧しさの中に暮らしていた。・・・・・・・それにもかかわらず、『太陽の季節』がヒットして、『太陽族』が
街にあふれたのは、若者たちに中上流階級の生活に対する欲望が生まれていたからだろう。(P45)
そう考えると、いま(平成27年8月)の若者は、砂粒化しているということがわかる。
(3)しかし、もはや今の若者は素朴に「今日よりも明日がよくなる」とは信じることができない。自分たちの前に
広がるのは、ただの「終わりなき日常」だ。だからこそ、「今は幸せだ」と言うことができる。つまり、人は将来に
「希望」をなくした時、「幸せ」になることができるのだ。(P104)
(4)第5章で詳しく論じるが、震災ボランティアがその象徴だろう。自分のつまらない日常を変えてくれるくらいの
「非日常」が到来し、そして「非日常」と日常をつなぐ経路が確保されたのならば、「内向き」のはずの若者たちも動きだすのである。(P113)
(5)しかし堀江の意図は違う。彼がベーシックインカムに賛成するのは「無駄」が少なくなるからだ。ホリエモン構想によれば、
国家は消費税の徴収だけに特化した機関になればいい。そして、徴収した消費税はそのままベーシックインカムの財源にして、
その他の雇用や福祉に関しては民間がどうにかすればいいという。
彼の根底にあるのは「国家なんてなくなればいい」という信念だ。(P142)
(6)日本国内に住んで同じようにインターネットに繋がっているのに、かたや海外ニュースを見ながら「日本」を相対化
する目線まで身につけている人もいれば、かたやアメーバニュースだけを見て海外ニュースはもちろん、「日本」で起きている
事件もスルーしている人もいる。これって、ちょっとすごい。(P148)
(7)たとえば、社会に不満を抱いている人がいるとする。彼にとってもっとも嬉しいのは、誰かが社会を変えてくれて、
自分がそれに「ただ乗り」することである。そうすれば、自分では何をすることもなく、良い社会を生きることができる。
資源動員論では、こうした「合理的な」人びとを想定した。(P173)
(8)ボランティア?自分に合ったボランティアの探し方もわからないし、敷居が高そう。選挙?行かなきゃとは思うけど、
どうせ誰かに投票しても同じだし、それで何かが変わるとは思えない。
だったら、若者たちが生きる身近な世界(親密圏)と、「社会」という大きな世界(公共圏)をつないであげればいいのだ。(P181)
これは、個人的にかなり納得。しかし、・・・。
(9)しかし移民労働力の受け入れを拒否し続けてきた日本では、「女性」に加えて「若者」を二級市民として扱うようになった。
すでに日本の若者たちの「二級市民」化は進んできている。「夢」とか「やりがい」という言葉で適当に誤魔化しておけば、
若者が安くて、クビにしやすい労働力だってことは周知の事実だ。(P260)
私の感想:百均、アマゾン、LINEなどがある時代において、「○○」を避けて生きることも出来るので、
そんなに一生懸命、努力する必要もないし、努力しようとも思わないのかあ、と納得。
ただし、「ただ乗り」出来るならば、親密圏から飛び出して、公共圏に行って、「アドレナリンが出る使命感が必要なこと」
をやってもいいかな?と「ムラムラ」しているのも事実。なるほど。
良い足場をもらった。さて、どうしようか???