月に鹿図鐔 寶真齋壽景
月に鹿図鐔 銘 寶真齋壽景
月明かりの下に佇む鹿、遠く蝙蝠が羽ばたいている。この図こそ、福禄寿を表現したもので、主題を描かない福禄寿留守模様図である。先に紹介したとおり、月は天の道を、鹿は禄を、蝙蝠は福を意味し、霊芝を鹿の後ろ足の近くに描き添えて壽を表現している。菊を描き添えて銘酒あるいは薬種伝説も採り入れるなど、画題と画面構成は計算し尽されているようだ。このような隠された図の意味を探ることも面白い。耳の内側に揺れるような二重の縁を設け、ここから覗き見ているような、あるいは主題を包み込んでいる空間性を表現しているかのような、美しい構成が魅力である。壽景(としかげ)は清壽一門中でも特に高い技量の持ち主。
月に鹿図鐔 銘 寶真齋壽景
月明かりの下に佇む鹿、遠く蝙蝠が羽ばたいている。この図こそ、福禄寿を表現したもので、主題を描かない福禄寿留守模様図である。先に紹介したとおり、月は天の道を、鹿は禄を、蝙蝠は福を意味し、霊芝を鹿の後ろ足の近くに描き添えて壽を表現している。菊を描き添えて銘酒あるいは薬種伝説も採り入れるなど、画題と画面構成は計算し尽されているようだ。このような隠された図の意味を探ることも面白い。耳の内側に揺れるような二重の縁を設け、ここから覗き見ているような、あるいは主題を包み込んでいる空間性を表現しているかのような、美しい構成が魅力である。壽景(としかげ)は清壽一門中でも特に高い技量の持ち主。