鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

宇治川の義経図縁頭 浜野 Hamano Huchigashira

2011-03-19 | 縁頭
宇治川の義経図縁頭 浜野


宇治川の義経図縁頭 無銘 浜野派

 寿永三年一月、木曽義仲追討の命を受けた範頼軍は勢田に陣を張り、義経の軍勢は宇治川を前に陣を張った。義仲軍は、宇治橋の橋板を剥がし、川中には逆茂木を配して戦を有利に運ぼうとする。宇治橋は京都の入り口に当たり、攻防の要所であり、ここを取ることこそ京を取ること。かつて頼政が奈良へ逃れようとして橋板をはずし、平家追軍の足を止めようと試みた橋合戦も意味は同じ。
 義仲攻めは義経にとって初めての戦であり、これに勝って兄に認められることこそ、源氏の武士である自己の確立であると信じていたが…。
 この図のように、馬上で采配を振る義経の姿が描かれることが多い。宇治の川面と橋を縁に描き、この場面の説明をしている。