鍔の歴史 古後藤
放牛図小柄 古後藤
この小柄もまた手擦れによって表面の様子が確認できない。だが、この親子牛といってよいであろう、三匹の間にある微妙な空気感というか、関係というか、状況というか、何とも面白い。笄を小柄に仕立て直した作。牛は馬のような先頭を突き進むといった様子がなく、むしろのんびりとした姿で目立たずに意ながらもいざという時に強い力を発揮する、陽の馬に対して陰の牛といった印象がある。それが故に好まれたのであろうか、後藤家の作には比較的多い。
樋定規に放馬図小柄 古後藤
樋定規に家紋図などの文様を組み合わせた図があるように、樋定規の存在は、簡素な線だけであるにもかかわらず画面に緊張感を与えている。小振りに引き締まった放れ馬を中央に描いているところも武士の持ち物らしい。馬の表面は使用によって擦れてしまい、毛彫などは確認できないが、それが故に時代色があって楽しめる。
『目の眼』の最新号(11月号)において、時代の上がる金工の、笄を中心とした作品を紹介している。打刀拵に用いられた装剣金具においては、鐔よりも笄のほうが時代が上がると考えられることから、古い金工作品を楽しむという意味で特集した。南北朝時代まで上がると考えられる逆耳の笄、室町初期の素朴な作、極上手の作などを江戸時代初期の桃山文化の時代までにわたって解説している。参考に御覧いただきたい。
放牛図小柄 古後藤
この小柄もまた手擦れによって表面の様子が確認できない。だが、この親子牛といってよいであろう、三匹の間にある微妙な空気感というか、関係というか、状況というか、何とも面白い。笄を小柄に仕立て直した作。牛は馬のような先頭を突き進むといった様子がなく、むしろのんびりとした姿で目立たずに意ながらもいざという時に強い力を発揮する、陽の馬に対して陰の牛といった印象がある。それが故に好まれたのであろうか、後藤家の作には比較的多い。
樋定規に放馬図小柄 古後藤
樋定規に家紋図などの文様を組み合わせた図があるように、樋定規の存在は、簡素な線だけであるにもかかわらず画面に緊張感を与えている。小振りに引き締まった放れ馬を中央に描いているところも武士の持ち物らしい。馬の表面は使用によって擦れてしまい、毛彫などは確認できないが、それが故に時代色があって楽しめる。
『目の眼』の最新号(11月号)において、時代の上がる金工の、笄を中心とした作品を紹介している。打刀拵に用いられた装剣金具においては、鐔よりも笄のほうが時代が上がると考えられることから、古い金工作品を楽しむという意味で特集した。南北朝時代まで上がると考えられる逆耳の笄、室町初期の素朴な作、極上手の作などを江戸時代初期の桃山文化の時代までにわたって解説している。参考に御覧いただきたい。