鐔の歴史 蟹図鐔 古金工


蟹図鐔 古金工
桃山時代から江戸時代初期の金工が、時代の上がる作を倣ったものであろう。古拙な風合いが漂うも、仔細に鑑賞すると、彫刻の技法というより描法に工夫が見られる。赤銅地木瓜形。図柄の周囲の魚子地を一段隙下げ、図柄は高彫。各々の要所に抑揚を付け、量感のあるその様子にさらに立体感を与えている。一見して拙い文様のようにも見えるが、意外にもお古作を狙ってのものではないかと推測する。とにかく面白い。水辺の生き物である蟹に虫、芹も添景にしており、古典の意識は健在である。□


蟹図鐔 古金工
桃山時代から江戸時代初期の金工が、時代の上がる作を倣ったものであろう。古拙な風合いが漂うも、仔細に鑑賞すると、彫刻の技法というより描法に工夫が見られる。赤銅地木瓜形。図柄の周囲の魚子地を一段隙下げ、図柄は高彫。各々の要所に抑揚を付け、量感のあるその様子にさらに立体感を与えている。一見して拙い文様のようにも見えるが、意外にもお古作を狙ってのものではないかと推測する。とにかく面白い。水辺の生き物である蟹に虫、芹も添景にしており、古典の意識は健在である。□