鍔の歴史 梅樹に鳥図笄 古金工
梅樹に鳥図笄 古金工
薄手撫で肩、山銅魚子地高彫仕立て、金のうっとり色絵の剥がれた痕跡がある。古拙なる魚子地は、それだけでも味わい深く、古風な造り込みも一層に魅力的。高彫された梅に取り合わせの鳥は鶯ではなさそうで、これも拙い描法ながら動きがあり面白い。特に右の鳥の翼を広げた様子、脚を縮ませた様子、頭を後ろにむけた様子などなど、明らかに写生を意識した図柄構成。造り込みから室町時代にまで上がると考えられるが、意匠は時代を先取りしているかのようだ。梅の花弁や葉の表面などの、微妙に鋤き込んだ鏨使いなどの処方も興味深い。□
梅樹に鳥図笄 古金工
薄手撫で肩、山銅魚子地高彫仕立て、金のうっとり色絵の剥がれた痕跡がある。古拙なる魚子地は、それだけでも味わい深く、古風な造り込みも一層に魅力的。高彫された梅に取り合わせの鳥は鶯ではなさそうで、これも拙い描法ながら動きがあり面白い。特に右の鳥の翼を広げた様子、脚を縮ませた様子、頭を後ろにむけた様子などなど、明らかに写生を意識した図柄構成。造り込みから室町時代にまで上がると考えられるが、意匠は時代を先取りしているかのようだ。梅の花弁や葉の表面などの、微妙に鋤き込んだ鏨使いなどの処方も興味深い。□