鍔の歴史 菱図笄 古金工
菱図笄 古金工
唐草文の意匠を借りて水草の菱を表現した作。画面をはみ出さんばかりに大きく描いており、後藤乗真の迫力がある。描法も鏨が強く彫口深く立体感に溢れて図柄が鮮明であり、部分的に剥がれてはいるが、うっとり色絵の魅力が全面に溢れている。丁子の枝先が巻き蔓状に表現されるのは伝統的なことだが、この作も確かに唐草の巻き蔓を配している。そろそろ新しい文様の下地が開発されても良さそうだと思うのだが、唐草の美意識は廃れることなく連綿と続くのであり、その点は頗る面白い。西洋で展開された唐草文も後に我が国に伝わり、現在でもその魅力を捨て去ることはできないようだ。
菱図笄 古金工
唐草文の意匠を借りて水草の菱を表現した作。画面をはみ出さんばかりに大きく描いており、後藤乗真の迫力がある。描法も鏨が強く彫口深く立体感に溢れて図柄が鮮明であり、部分的に剥がれてはいるが、うっとり色絵の魅力が全面に溢れている。丁子の枝先が巻き蔓状に表現されるのは伝統的なことだが、この作も確かに唐草の巻き蔓を配している。そろそろ新しい文様の下地が開発されても良さそうだと思うのだが、唐草の美意識は廃れることなく連綿と続くのであり、その点は頗る面白い。西洋で展開された唐草文も後に我が国に伝わり、現在でもその魅力を捨て去ることはできないようだ。