車胤図小柄 長常
車胤図小柄 長常(花押)
古代中国の車胤は、若い頃には貧しかったため、夜は蛍の光を頼りに勉強したという。その教訓を描いた小柄。長常らしい強弱変化を付けた片切彫と、その下地の平象嵌の効果を活かした作。灯りの代わりとした蛍は、毛彫による網の中に、その微かな光を金の平象嵌で表現している。人物描写が優れている点で高い評価を得ている長常。絵筆による描線を鏨による線刻に代えて描いているもので、片切彫は町彫りの大先輩である横谷宗の得意としたところ。さほど多用しない平象嵌だが、的確に処方されている。
車胤図小柄 長常(花押)
古代中国の車胤は、若い頃には貧しかったため、夜は蛍の光を頼りに勉強したという。その教訓を描いた小柄。長常らしい強弱変化を付けた片切彫と、その下地の平象嵌の効果を活かした作。灯りの代わりとした蛍は、毛彫による網の中に、その微かな光を金の平象嵌で表現している。人物描写が優れている点で高い評価を得ている長常。絵筆による描線を鏨による線刻に代えて描いているもので、片切彫は町彫りの大先輩である横谷宗の得意としたところ。さほど多用しない平象嵌だが、的確に処方されている。