新笠通信 奄美電信版

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オーロラの彼方へ

2015-09-13 06:06:57 | Diaries
彼女と話し合った結果、今誰のそばにいるべきかといったことはその時、その時に必要に応じて、お互いがそれぞれ自分のこととしてよくわかっていることだと思うので、いまわたしがそこにいなければならない、いまそこにいなければならないのは私でなくてもいい、といったことを日々よく考えて、お互いそれぞれ別々に、必要があるときはいっしょに力を合わせて、行動していこうということになりました。
わたしは残されたわずかな時間であるとするならば、日々誰とよく相談しながら、よく話し合って生きていかなければならないか、わかっていないければならない時期にきていると思います。
より多くの時間相談することになる、日々話し合うことになる相手を、間違えている時間すら残されていないことはよくわかっています。
10歳のとき、14歳のとき、18歳のとき、22歳のとき、そして今と、人間としての仕上がりというものには私なりにも自覚があって、家庭環境のこともあって人間的、精神的にも未熟なときにより多くの時間、あなたと話し合いをしていたら、うんざりしてあなたは話し合いをやめてしまうだろう。こちらもいままでたどってきた他者との関係性をキープすることを自らやめてしまっていたであろうと思います。

中学に進学したらもっとましな優れた人間関係があるはずだ、高校に進学したらもっとましな優れた人間関係があるはずだ、さらに進学すればもっとましな優れた人間関係があるはずだ。そのような考えがそのときどきにおいてのあなたの人間としての未熟さを示すものだったのかもしれません。

私と父の関係がうまくいっていないことから、もっと優れた父の関係というものはどこかにあるはずだという強い意識が探せばもっと優れた父はどこかに現れるのだと考えるようになったからかもしれません。

過去のつながりを断ち切って、過去を全否定していってそして今おかれている環境に好ましい、望ましい人間関係はあったでしょうか?

わたしは10歳のときから20歳にかけて、家庭のなかで何がおこっているのか、よくわかっていなかったなあと思うことがよくあります。

自営業をやっている人間にとって、30代後半の頃がどれだけしんどいかは私の家庭がどうだったかを振り返ればよくわかります。

商売がなかなかうまくいかなくなり、それがピークに達した頃に何人もいる子供がだいぶ大きくなってきてお金がかかってきている。

そんな頃に昔いっしょだった人たちの集まりがあるからといってはいそうですかとすぐに参加・出席できる人間はよっぽど運のいい、たまたまうまくいっている人たちでしょう。

私は当時もそうでしたが、彼女の両親があのような商売をしていなかったらはたして交際を申し込んだだろうかということは、今でも自分に問い続けています。

そういう商売をしていたからからこそうかつにといいますか、あちら側にあわせた人間関係を多く持ちたいと考える若者というのもめずらしいことでしょうから、いや、あちら側の大勢にいろんなことを期待されても困るという考えは実際のところありましたし、そのことが影響しているということを否定することはできません。

父と子の関係がうまくいっていない。10歳の頃には商売のうまくいかなくなった親の精神的症状から直接的に影響を受けるようになり、こんなに若いのにえらい元気がないというか、さめたというか、この父はこの子をこんなに元気ないようにしてしまっているのにこれから先いったい何を期待しようというのだろうという摩訶不思議な状況がはじまったのでありました。

こんなに元気なくしてしまったら何もうまくいかない、何やってもうまくいかないから、商売がうまくいっていようが上手くいってなかろうが、こんなに若い人間の発育をゆがめる、阻害するような姿だけはお願いだから見せないでくれと日々願うのでした。


それには母の父、そして父と続いてきたアルコール依存に真剣にむきあう必要があります。なにかめでたいことがあったわけでもないのに日々他人を招いて酒をふるまう、それを誰も止めようとしなかった村環境、集落環境というものを振り返るべきです。周囲の人はただひたすら彼のお酒がなくなるまで待った。彼の体がついていかなくなるときを、体がもたなくなるときを待った。4世代前に村の権力者であったというようなお宅はほんとにお荷物で、周囲の者は腫れ物にさわるかのごとくの対応しかしないし、とにかく助言をしない。アドバイスをしない。なまじ権力を、腕力をもっているからである。そのため、アルコールに浸っていたらいずれこういう日が来る、いつかこういう日がくるということをひたすら待ち望む、そのような空気、暗黙の了解、包囲網といったものが着々と築き上げられていったのではないかと思います。とにかくうちの世帯に悪影響が及んでほしくない。もっと言いたいことがある。といったことがほんとのところではないでしょうか。

彼はこの家に婿として、この村の町長の家に婿として招かれれば、婚姻関係を結べば、いずれ毎晩酒浸りの生活を送れる、そういったことを体現したような人であったのかもしれません。教養のない人間をこの家に迎え入れれば、それまで築いてきた社会、他者との人間関係はもうこれ以上キープできない。この村の人間はとかく教養のある人間との関係を構築しようとしない。関係を維持しようとしない。そういったことは、彼がこの家に婿に来た頃からこの村ではほとんどかわりなく続いていることなのかもしれません。

教養のある、訓練を受けた真に役に立つ人間との関係をキープしてこなかったというのはこの歳になってようやくわかってくるものです。彼は自分より教育を受けた人間で頼りにできるというあてがほとんどない、村全体が、村全体の有力者というのがほんとにそうなのです。

わたしは少しでも多くの時間あなたと相談しなければならないと思い、今日このような内容となりました。後日また相談に伺います。