吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

給湯の返湯管のサイズ

2010-01-27 10:03:26 | Weblog
僕の長年にわたる独自理論(実は亡くなった師匠の示唆のおかげ)が証明された。
今年の空調衛生工学会1月号に早稲田出身のある設備設計事務所のかたが実験、研究報告が掲載されました。”中央式給湯設備の配管計画・設計法”という記事
昨日これを読んで感動しました。  やっとやっとだ40年の僕の抵抗が終わった感じだ
何故なら僕が所員に長年にわたって言ってきたことが証明されそれがまったく僕の考えと同じ結論を出されていたことです。 それは  ①給湯の返り管は大きすぎては弊害ばかりでよくない 返り管は湯の温度が冷えなければいいのでわずかな流量でいいんだ  ②返湯管は流れすぎる場所が出来ると他に廻らなくて冷える系統が生じるので流量調整が不可欠なのでなるべく直列に配管し流量コックを設ける
以上のことは社内でもやかましく言ってきたのだ。うちの若手は教科書と違うじゃないか・・と多少の反発もあったにも違いないのだが・・・・。 でも皆 あやっぱ師匠は間違いではなかった と思ってくれるだろう
ちなみに 国交省の最新の基準では 給湯管80Фのとき返湯管は40Фとなる、今回の研究報告では25Фとなるのだ。しかも全ての系統に定流量弁を使用している(これはパクらせてもらう) 感動ものだ
国交省はあれだけの人材と金をかけ しかも全ての公共事業の虎の巻となっている ”建築設備設計基準”何故真剣に向き合わなかったのか この件はほんの一例にすぎなくてこと設備については山ほどある また大学はなにをしてるかな 普通に考えても過剰な配管径を40年間放置してきたわけだ。このことによる損害と技術的後退だけでも計り知れない損失である。
我社としては この基準に頼ることを禁止してきたのだが 禁止といいながら やはり黄門さまの印籠的な使い方をすることもあったわけで全く無視ではないのだが・・・
やはりこの業界 まだまだ既存技術にたいしてモノ申さない 悪しき伝統があるような気がする
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2 コメント

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同感です (けろ)
2010-01-27 16:35:21
ワタクシも、学会誌を読んで納得しました。

返湯ポンプも過大、返湯管も過大で、材料と電気の無駄遣いをして設備寿命も縮めていたような気がしてなりませんでしたので。

実際、流量過多によると思われる返湯管(銅管)ピンホール頻発事件などもありまして……。

茶本、学会便欄、スーパーゼネコンの設計基準など、一番内容に違いがあるのが給湯設備計画であるように感じます。

熱源容量・貯湯量算定に関しても、こういう報告を期待しています。

http://www.hatsumeiya.com/etc.html
こんなのは、使用されたことありますか?
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貯湯槽 (吾輩)
2010-01-29 09:42:13
なるほどよく考えていますね。
この発明者は給湯にかんして真摯に考察されてきたこと、また失敗もされてきて、それを製品に生かされたのでしょうね、このかたの内容も僕が通り過ぎてきた過程と同じ考察をしていました 参考になりました
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