昨日、梅田の映画館で吉永小百合さん主演映画『北の桜守』を見てきました。朝一番の上映回で、前のほうでゆっくり観賞できました。この映画は吉永小百合さんの120本目の作品になった映画だったそうです。ストーリーは、1945年の大戦末期、樺太から大変な思いをして北海道に逃げ延びた吉永さんが演じる母てつとその次男の修二郎の二人が札幌オリンピックの開催された高度成長期にかけて、困難を乗り越えて生きていく姿が描かれていました。一家が住んでいた樺太の家の庭の桜が満開になるのを子どもたちに見せたかった母てつのかすかな願いは家族を繋ぐ大切な絆でもありました。戦争によって、あらぬ方向に向かってしまい、その願いは、無残に打ち砕かれて行くのですが、最後のシーンで映っていた桜は、悲しく、せつなかったのですが、苦難を乗り越えて歩んできた母と息子の人生の尊さが投影されているかのような美しさを放っていました。映画の中では、北海道の美しい春の景色や雪に閉ざされた厳しい冬の景色や自然の音がとても印象に残りました。同じ景色を同じ人と同じ場所で、時を重ねて、眺めたときに、人は、その景色に繋がるそれぞれの悲しくて辛い思いをともに超えることができるということを静かに教えてくれているかのように感じました。
上の写真は吉永小百合さんが映画で着用されていた衣服。映画館内に展示されていました。
上の写真は吉永小百合さんが映画で着用されていた衣服。映画館内に展示されていました。