暇人のようだが、店頭に立ってじっと客の様子を観察していると不思議なことに気付く。男と女の買い物の仕方が違うのだ。同じ人間でも性別だけでこうも思考回路が変わるのかと呆気にとられた。
男は、本当に必要ならばそれが千円だとして二千円払ってでも買おうとする。女は、必要なくても二千円が千円になれば儲けたと買ってしまう。世の中、無駄にカネ払う男と無駄にモノ買う女で成り立っているのだろう。
店の奥に昼寝していた掘り出し物が突然脚光を浴び、売れ残りで半額処分した品物が急に売れ始めたりする。これらは店の思惑ではなくたまたま客の視線に留まったものだが結果オーライでもいいじゃないか。だから商売やめられない訳だ。