書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)6 2017-08-03 | 書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著) 自由と身分 また、彼ら異邦人が驚きをもって証言し、そのことに私たちも意外の念を禁じ得ないのが、幕藩体制や身分制度なるものの実態である。それはアジア的専制の悪しき典型として、またカースト的な差別と抑圧の構造として信じられ、これまで総攻撃に遭ってきたものである。もちろん彼ら異邦人も等しく認めているとおり、それは実際に専制的政治体制に違いなかったし、身分・階級間の区分は厳格であった。しかしそうした . . . 本文を読む