〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) 2

2017-08-18 | 書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著)
江戸時代に生きた人々  本書は、日本が強力な人口記録が緻密に整備され史料として多数が残存する世界的に稀有な「人口史料の宝島」であることを紹介し、特に第二章と第三章でその近年の研究成果をもとに、各村々から全国に至るミクロとマクロの人口動態と、そこから浮き彫りになる社会の実態を明らかにしている。  ミクロな面では、特にある村の複数の農民家族の人生を長期にわたり追っているのが興味深い。後で見るように . . . 本文を読む