〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)7

2017-08-04 | 書評『逝きし世の面影』(渡辺京二著)
 「日本の上層階級は下層の人々を大変大事に扱う」とスエンソン〔デンマークの海軍軍人〕は言う。「主人と召使の間には通常、友好的で親密な関係が成り立っており、これは西洋自由諸国にあってはまず未知の関係といってよい」。(二二九頁)  もちろん、観察者が一様に指摘する民主性や平等なるものは、近代的観念としての民主主義や平等とそのまま合致するものではない。しかし、近代的観念からすれば民主的でも平等でも . . . 本文を読む